キャリアガイダンスVol.418
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「学びの目的意識が明確で、正課外活動などをがんばってきた潜在的な優秀層を発掘し、彼らに基礎学力もがんばってもらうという狙いもあります。想定した層がどのくらい存在するか測るためでもあります。また本学の入試改革は高校現場への影響が少なくないため、一般入試の改革は慎重に検討しています」(沖教授) 初年度実施の今年は、定員を決めずに若干名募集からスタートする。1次選考の課題レポートは、地域についてどんな課題を設定し、どんなことをしてきたかの活動報告書だ。活動内容は学校での探究的な学びの経験でも、学外でのボランティア活動などでも構わな1次・2次選考で評価するポイントい。ただし、レポートの内容を証明する第三者の「評価書」の提出も求めている。これは、推薦入試の際に担任の先生が添える推薦状のようなものだが、学外活動も認めているため、ボランティアの代表など、身内でなければ教員以外の評価書でも可としている。ここでの評価基準は、課題設定能力や課題の解決能力と、地域との結びつきだ。さらに、解決しようとしていることが、志望する学部で学ぶ内容とどう接続していて、それを通じて将来どのように生きていきたいかが言語化されているかどうかだ。 2次選考は広い視野でものごとを捉えられるかを判断する試験。今年は論文形式を予定しており、サンプル問題はすでに公開されているが、来年の試験以降は口述試験なども検討している。 「新思考入試(地域連携型)」で入学する学生には、学部を越えたさまざまな活動で活躍することを期待している。例えば、早稲田には全学共通の「グローバルエデュケーションセンター(GEC)」や「平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)」などでの科目や活動がある。GECには新しいリーダーシップ養成や地域連携のプログラムが用意されている。これらの履修を義務ではなく、自然に目が向き能動的に選んでいくように、アドバイザー教員を付けてフォローしていく予定だ。 このような共通センターのプログラムは、社会の変化や高大接続を意識した早稲田の変化でもあるが、既存の授業も大きく変わってきている。例えば、現在は50人以下の授業が全体の80%を超えており、アクティブラーニング型授業も増えている。学生の主体的なグループ学習を推進するために、オープンスペースを増設し、授業外学習がしやすい環境づくりも広がっている。 「授業が変わるということは、教え方も変わらなければならないということです。そのため、海外の協定大学のFD(ファカルティ・ディベロプメント:教員能力育成のための組織的な取り組み)プログラムへの参加や、ティーチングアシスタントの育成などにも力を入れています」(渡邉慎一郎氏) 「高校の現場同様、社会の変化に合わせて本学も変わろうとしています。我々の取り組みが高校の教育を変えていく手助けにもなることも期待しています」(沖教授) 「新思考入試」を今後全学部に広げていくという早稲田の改革に今後も注目したい。早稲田の変化が高校に良い影響となることを期待「新思考入試(地域連携型)」の概要 「新思考入試(地域連携型)」の評価基準 「新思考入試(地域連携型)」の目的図3図4図2●対象学部/ 文化構想学部、文学部、商学部、人間科学部、スポーツ科学部●求める人材:これまでの学習や当該地域での経験を踏まえて充分に培われた「地域へ貢献」する意識をもつ人材(センター試験80%以上の学力を有し、学部で学びたいことが明確な人材)●入試の流れ2次選考:総合試験論理的思考力を問う論文形式など2次選考合格者発表ルーブリックにより評価を数値化して認定3次選考:センター試験2次選考合格者のうち、センター試験の配点80%以上得点で合格(科目は学部によって異なる)最終合格者発表1次選考合格者発表1次選考:課題レポート提出自らがとらえる地域課題に対しての今までの活動内容、早稲田で学びたいこと、卒業後の地域貢献などについてのレポート。第三者の「評価書」と共に提出地域の問題意識をもって今までの学びに取り組んできた生徒を、早稲田でグローバルな視野と高い志をもって、社会的・文化的・学術的に地域へ貢献する人材を育成(ただし、卒業後にUターン進路を強制はしない)。地域社会卒業解決法の探究人間的成長問題意識地域への貢献連 携入学早稲田大学※詳細は非公開●高校水準としての、課題設定能力、課題解決能力●課題と地域との結びつき● 解決しようとしていることと、志望する学部の学びとの結びつきCase study 05▶▶▶個別大学の入学者選抜の今…早稲田大学変わる大学入学者選抜 何を問うか、どう育むか。192017 JUL. Vol.418

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