キャリアガイダンスVol.418
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――昨今の企業の採用状況についてお聞かせください。 就職みらい研究所が毎年行っている調査(『就職白書2017』)では、2017年卒の採用数は「計画通り」が34・5%で、「計画よりかなり多い」「計画より若干多い」を合わせた充足とする企業は50・2%。2016年卒より1・9ポイント増加しました(図1)。2017年こそ充足企業が微増しましたが、ここ数年ずっと「充足」は減少傾向でした。 さらに、量的だけでなく、質的な満足度も下がっています(図2)。 採用では、自社でまったく活躍できそうもない人まで採用することはありません。質的には一定の基準を超えた人たちを採用します。それでも質的満足度が下がっているのは、採用・不採用のボーダーライン上にいる層を増やさざるをえなかったせいだと思います。 大きな理由の一つは、景気の好況感から採用数が全体に増えていること。もう一つは、毎年大量に定年退職者が出る大手企業が、ある程度人数を埋めていかないと企業の成長どころか維持することも難しくなり、これまでよりも幅広い層の学生にアプローチしているためです。 一方で、中小企業を中心に、新卒を積極的に採用しようとする動きもあります。これは、景気の好況感だけでなく、転職市場が企業が期待するほどには活性化していない影響もあります。そのため、従来は中途採用中心だった中小企業も新卒を採用しようと動いています。 景気が好転したことに加え、人口減少という大きな流れが、採用市場に影響を与えていると考えられます。取材・文/清水由佳――大手企業も中小企業も採用に苦労している点が、量的・質的満足度の低下に見て取れるわけですね。 そうですね。そのため、採用方法も多様化しています(図4)。職種別採用や通年採用は中小企業での導入が高い数字になっていますが、部門別、地域限定社員、リファラル採用(※1)、人材紹介会社を介した採用、初任給格差をつけた採用、インターンからの採用、アルバイトからの登用など、さまざまな手法を、大手企業が積極的に導入しています。 大量採用して活躍する人が残ればいいというような採用は通用しなくなりました。採っては辞め、採っては辞めで、ブラックのレッテルを貼られてますます採用がしづらくなるよりも、採った人を大切に育てていくと量的にも質的にも満足度が下がっているますます「人物」を重視する採用方法の多様化2017年卒の採用数の計画に対する充足状況[12月時点] (全体/単一回答)2017年卒の入社予定者への満足度 (全体/単一回答)図1図2より「人物」を判断しようとする流れへ企業の採用選考の現場から社会の入り口でもある企業の採用では、どんな力が求められるのか。昨今の就職環境とともに、社会で必要とされる力を就職みらい研究所・所長の岡崎仁美さんに聞きました。1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に従事。中堅・中小企業を中心に約2000社の採用に関わり、転職情報誌『B-ing関東版』編集企画マネジャー、同誌副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』編集長、『リクナビ』編集長を歴任。2013年3月、就職みらい研究所を設立し所長に就任。就職みらい研究所所長 岡崎仁美計画よりかなり多い計画より若干多い計画通り計画より若干少ない計画よりかなり少ない現在選考中につき、未定採用数について計画を立てていないその他非常に満足どちらかというと満足どちらともいえないどちらかというと不満非常に不満2017年卒 N=11682016年卒 N=12352015年卒 N=11662014年卒 N=13042013年卒 N=10412017年卒 N=11592016年卒 N=12162015年卒 N=11512014年卒 N=13022013年卒 N=10321.21.91.91.50.814.514.113.412.114.434.548.650.753.551.850.213.532.314.140.614.545.315.647.119.034.521.736.319.733.121.232.120.229.919.312.612.312.512.17.59.35.810.94.410.61.21.92.01.31.80.34.03.51.51.51.00.50.30.50.61.20.61.31.31.1(%)●凡例●凡例(%)322017 JUL. Vol.418

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