キャリアガイダンスVol.418
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342017 JUL. Vol.418取材・文/堀水潤一 撮影/マツダナオキ 流動化が加速する社会では、転職は当たり前。従来であれば世代交代くらいのスパンで起こっていた社会構造の変化が、一人の人生において複数回訪れる時代が始まっています。私のような研究職もそうした影響を受ける職業の典型。定年を迎えるまでにもう一度くらいは、研究スタイルの一からの見直しを迫られるだろうと自分の問題として感じています。 これは多かれ少なかれ、どの職種にも当てはまることでしょう。だからこそ流動化が加速する知識基盤社会では、学び続ける力や領域を横断する力、他者と協働しながら正解なき問題に対応する力など、高度で汎用的な能力が求められるのです。 と、言っておきながらなんですが、「○○社会」や「○○力」と言ったとき、その言葉が意味するところは案外曖昧です。例えば「他者と協働する力」と言っても、具体的に何を指すのかは状況により異なります。 例えば自動車産業が今、何を競っているかといえば自動運転のシステム構築です。昔ながらのものづくりであれば、徒弟制度のような密な関係の中で技術を磨けばよかった。けれ「○○社会」「○○力」という言葉の向こうに見えるもの今、求められる学力とは。それをどう育み、評価するか新しい大学入学者選抜が動きだし、高校現場でもこれまでの学力観の見直しが求められているなか、今、本当に必要とされる学力とは、学びとは何なのか。コンピテンシーや「資質・能力」重視の教育改革において、可能性とともに注意点を指摘している京都大学大学院の石井准教授に伺いました。いしい・てるまさ●教育学博士(京都大学)。学校で保障すべき学力の中身とその形成の方法論について理論的・実践的に研究。近著に『今求められる学力と学びとは―コンピテンシー・ベースのカリキュラムの光と影―』(日本標準)、『中教審「答申」を読み解く』(日本標準)、『教師の資質・能力を高める! アクティブ・ラーニングを超えていく「研究する」教師へ』、『小学校発 アクティブ・ラーニングを超える授業』(共に編著、日本標準)など京都大学大学院 教育学研究科准教授 石井英真

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