キャリアガイダンスVol.418
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「さっきまでわからず悩んでいた問題を隣の席の同級生が正解している。するとすぐに『どうやって解いたの?』という会話が始まる。そういう声が聞こえたら模範解答の板書をしばらく待つようにしています。そこに学び合いが生まれるからです」と榎本先生。席替えをすればまた違う相手の採点をする。あるクラスでは自然と「次がんばろうね」「惜しい!」などとひと言メッセージを入れる生徒が増えていった。「そのクラスは一体となって成績も伸びています。メッセージは私も想定外でしたが、そういう点も含めて、わからないところをそのまま放っておくことができない気持ちになるんです。わからないところは質問する、考える、これがアクティブラーニングですし、クラス全体の底上げにつながります」 さらに、小テストの問題づくりは教員が勉強し合うことにもつながった。ベテランと若手が一緒になって良問を探したり、作った小テストを共有したりしている。また難関大学の入試問題から出題し、1年時から高いレベルの問題に触れるよう工夫をしている。 英語、数学、国語を中心に定期テスト問題の学年共通化を図っている。「数学の問題を共通化することは難しくありませんが、英語や国語は簡単ではありません」と榎本先生は言う。共通テストを前提に、4月から授業の進め方について各教科で 川和高校に赴任して管理グループリーダーとなった榎本先生は、まず空き教室を自習室に改装した。また、主要大学の赤本をすべて揃えるなど、気付いたことから進学校としての環境を整えていった。 ソフト面では外部模試の受験回数を増やしデータを蓄積。定点観測による分析を取り入れた。今では各回の卒業生との比較で受験対策を立てることができるようになった。さらに「進路の若手教員が模試結果から部活ごとのデータを取り出してみたことがあります。いろいろな活用法があることが浸透してきていると思います」と榎本先生は語る。 授業の初めに約10分間の小テストを実施。英語、国語で組織的に行われ、数学では榎本先生が先頭を切って始め、若手を中心に広まっている。 榎本先生の場合、テスト後すぐに隣の席同士で交換をして互いに採点させる。自習室、赤本、模試進学校としての環境を整える環境整備図2 3年間の進路指導計画(主なものを抜粋)全学年1・2学年3学年4月第1回校内模試LHR・学年集会等での進路指導5月前期中間試験進路説明会(保護者対象)6月進路希望調査進路希望調査教育実習生による講話大学ガイダンス(校内)進路説明会(保護者対象) 7月第2回校内模試推薦・AO入試説明会指定校推薦大学一覧掲示(一部)保護者面談8月夏期講習インターンシップ(希望者対象)病院での看護・薬剤師体験インターンシップ(希望者対象)横浜国立大学での研究室体験9月前期期末試験第1回選択科目調査センター試験受験説明会模擬試験(希望者対象)指定校推薦校内選考10月第3回校内模試(3年生)保護者面談推薦入試模擬面接11月第3回校内模試(1・2年生)大学出張授業(2年生)第2回選択科目調査12月後期中間試験学年別模試分析会センター試験受験票配布1月第4回校内模試(1・2年生)特別時間割、アラカルト式補習2月3月学年末試験綿密に打ち合わせをする。「英語では教科書の本文をそのまま出題するのではなく、同レベルの初見の問題を出題します。英語教員は良問を探したり、作家となって新たな文章を起こします。国語も個人の授業スタイルを超え、全員で授業内容を詰めていきます。共通テストを軸にした切磋琢磨で授業レベルが上がっていくことの効果は絶大。授業の質を上げるための意識が高まり、教員同士の授業見学も日常的に行われています。学習グループを中心に自身の授業をビデオに撮って確認することも勧められています」 また、共通化することで学年順位も把握でき、模擬テストと同じようにクラスを超えての競争意識が生まれ、部活動の仲間とも学習面で刺激を与えあっている。 同校では部活動と勉強の高い次元での両立を目指している。運動部、文化部を問わず多くの部活動は朝練、放課後練の他に、昼休みの昼練も取り入れているため、生徒は時間の使い方に長けてくるという。10分休みの時間に昼食をとりながら勉強している様子は同校ではよく見られる光景だ。「平日は帰宅時間が遅く、土日も遠征などで家庭学習の時間が確保できないことが多い学校です。週末課題は出さず、学校の授業を大切にし授業で完結できるようにします。予習や復習は学校にいる間に10分休みなどのすきま時間の有効活用をするよう入学時から指テスト問題作成を通して授業のレベルアップを図る毎授業の小テストを活用しアクティブなクラスづくり定期テストの共通化小テストの活用教室も部活と同じチームで底力を上げる部活動との両立422017 JUL. Vol.418

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