キャリアガイダンスVol.418
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独自のスピーディーな改革で短期間で生徒たちが変化次世代を担う自立した女性を育成梶原督三広島文教女子大学附属高校 校長広島文教女子大学附属高校 校長まとめ/長島佳子 撮影/大矢直史1948年広島県可部女子専門学校開校。1957年広島県可部女子高等学校開校。1966年、広島文教女子大学附属高校と改称。2016年より学校改革に着手。改革初年度で国公立大学・難関私大合格者数が過去最多に、入学志願者数も大幅に増加するなど、成果を上げ、今後も附属大学との7年間一貫コース(仮称)の新設などの大革命も検討中。広島文教女子大学附属高校(広島・私立)かじわら・とくみつ1952年生まれ。広島大学大学院工学研究科修了。1978年、広島県立庄原実業高校で初任。農業専門高校の同校で当時としては斬新な学科改編を担当。この経験で学校経営の資質を得る。1996年、県教委指導主事に着任。広島県の教育改革に携わる。2002年、県立油木高校に教頭として着任。その後、庄原実業高校校長、県立教育センター所長、県立三次高校校長を経て2015年退職(2013年の定年後、再任用制度で2年間延長)。1年間、実家の農業を継いだ後、2016年より現職就任。前職までのさまざまな経験を活かし、就任直後からスピーディーに学校改革に着手。わずか1年で多くの成果を上げ、さらなる改革のために2017年、校長直轄の教育企画室を設立。入試広報から進路指導、国際交流、ICT教育の推進など、ゼロから企画・立案・実践するための組織改編を行っている。 昨年の春に着任した際、本校は広島市北部という立地から、人口に比例して中学の生徒数の減少が著しく、募集定員の確保が課題となっていました。着任後すぐに「魅力化計画」と「改革10年ビジョン」をまとめ、「オンリー1でナンバー1」の学校を目指した改革を進めています。 改革はスピードが命です。そのために、まず、スピード感をもって業務に当たることに慣れている民間から広報担当や教員を採用しました。そして私が最初に出した具体的なビジョンが「英語の文教」に生まれ変わることでした。これまでの入学者の多くは英語が苦手でした。グローバル社会において、次代を担い、社会貢献できる自立した女性を育成するには、英語は欠かせないアイテムです。そこで、ネイティブの外国人をTT(チームティーチング)要員としてだけでなく、教員として採用し、少人数授業が可能な体制を作りました。さらにスタディ・サプリやスピーキングアプリで自主学習も推進しています。さらに、生徒募集では、英検3級以上の取得者には奨学金制度を導入。今年から3カ月〜半年の中期留学制度も始めます。 こうした学びの魅力化により英語を学びたい、伸ばしたいという生徒が多数応募してきてくれました。また、中国地方北部圏域にも募集ターゲットを広げることで、県外から応募者が来るようになり、生徒の層、人数ともレベルアップしました。 授業だけでなく、今後の大学入試改革を鑑み、小論文のみの入試も導入しました。また、今年の文化祭では英語劇を取り入れるなど、「英語の文教」を課外活動にも広めていきたいと考えています。 変革の推進に大事なのは、アイデアです。新しいものをつくるときには「人がやってみたいと思うか」「未来や夢を描けるか」を常に考えます。ビジョンを示すのはリーダーの役目で、実行するのは現場。学校一丸となって改革を進めるのは簡単ではありませんが、変革のエネルギーを高めるために、組織を変えるなど、先生方の意識が変わり、取り組みやすい環境をつくるのです。 最初は全員が同じ方向を向くことはまずありません。教員のやる気を導き出すのは生徒たちの変化に他なりません。「やればできる」と、諦めない指導を先生方に求め、難関校進学という結果で、改革の効果を実感できたのではないでしょうか。 まだやりたいことがたくさんあります。優秀な中学生が地域から流出しないよう、中高一貫校にすることも一つです。また、海外校をつくったり、第二外国語も導入してみたいと考えています。さらに、教員たちが幅広い経験を積むために、他校と連携して私学間での教員異動にも取り組んでみたいと思っています。国際平和都市ヒロシマの北部圏域から日本の高等教育をより良いものにしていくことが、私が目指す究極の目標です。英語が苦手な弱みを強みに変える「英語の文教」を標榜し実行生徒たちの変化が教員のモチベーションオンリー1の改革でナンバー1を目指す492017 JUL. Vol.418

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