キャリアガイダンスVol.418
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ふじおか・しんじ●1975年生まれ 慶應義塾大学大学院修了。数学や生物の大学受験対策を教える塾講師を経て、大学院でキャリア教育の重要性に気付き、研究を開始。小学生から社会人までを対象とした現場指導経験を有し、推薦・AO入試対策、社会人基礎力の指導や教材・プログラム開発を大手大学受験予備校や高校・大学で行う。島根県立隠岐島前高校をはじめとし、行政と協業し教育を通じた地方創生に取り組み、現在、北海道から沖縄までの高校魅力化プロジェ クトに参画、高校連携型の公営塾を運営。藤岡慎二北陸大学教授株式会社Prima pinguino代表取締役 大学の売りの一つに、〝教員〞がいます。大学は研究教育機関ですから当然ながら教員の質は力を入れる部分です。大学側は、大学や学部の方針に沿って今後力を入れていきたい分野の良い教員を常に求めています。大学の教員も常に良い研究・教育環境や待遇の良い大学に移っていきます。良い教員を揃えることが大学の教育の質に関わってきます。 大学を見る際には、学部学科の全体像だけでなく、ゼミや研究内容、ゼミ生の卒論テーマなど、個別の教員の情報も確認させましょう。WEBサイトでもある程度の情報は掲載されています。 教員はそれぞれの専門分野や興味分野があり、それぞれの研究テーマをもってゼミや研究会を開いています。研究テーマはゼミや研究会のシラバスに記述してありますので、生徒自身の興味範囲に即している、もしくは近ければ大学の志望校にしても問題ないでしょう。 大学ではそれぞれの学部でAP=Admission policy(求める学生像)、DP=Diploma policy(卒業までに身につける力を示した学位授与方針)、CP=Curriculum policy(教育目標やディプロマ・ポリシー等を達成するために必要な教育課程の編成や授業科目の内容および教育方法について基本的な考え方)を定めています。この指標は大学ごとに教員によって考えられています。つまり大学がどのような学生に入学してもらい、どのようなカリキュラムを通じて、どのような力を卒業までに身につけるのか、その力がどのような分野に活かされるかについてのストーリーがわかります。 AP・DP・CPに共感できるかどうかは大きなポイントです。大学選びの際には必ず読ませるようにしたいものです。逆に、3つの指標がしっかりしていない、読んでもわからない場合は、慎重に調べた方が良いかもしれません。 初年次教育とは、大学1年生向けに課す教育プログラムを指します。初年次教育と言っても多様な内容があります。私が考える充実した初年次教育とは、「高校と大学からの学びの転換を促す教育」です。前回、このコーナーでも挙げましたが、高校までの学びと大学からの学びは大きく異なります。大学からの学びを身につけて大学に入学する高校生は一握りだと考えています。AP・DP・CPの3つの指標をチェックする大学を選ぶ観点 2学びたいテーマを研究するゼミ研究会があるか、教員がいるか大学を選ぶ観点 1初年次教育が充実しているかどうか大学を選ぶ観点 3 高校を卒業したばかりの大学1年生たちに大学の学びへの橋渡しがなければ、大学特有の教育環境も無駄に終わります。よって初年次教育に力を入れている大学は教育に力を入れている親切な大学だと思って良いでしょう。◆ 高校生にはオープンキャンパスでの非日常的な雰囲気や大学像、模擬講義に引っ張られ過ぎることがないように注意しています。そして生徒自らが大学で学びたいことを明確にしたうえで、学ぶ環境として最適かどうかを同じ、もしくは近い研究テーマの教員がいるかどうか、大学や各学部が考えるAP・DP・CPに共感できるか、大学での学びを最大化する初年次教育の充実度合いを踏まえて大学を考えましょう。532017 JUL. Vol.418

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