キャリアガイダンスVol.418
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進路指導部総合的な学習の時間主任井川聡恵先生 ほとんどの生徒が進学し、全国レベルで活躍する部活動も多い文武両道の香川中央高校。高松市香川町で唯一の高校として町とのつながりは強く、生徒たちは地域の行事やボランティアに参加。地域の人たちに見守られ、教員たちの面倒見もいい温かい雰囲気の学校だ。 一方で、自転車通学者が98%を占めるなど地元の中学校から進学してくる生徒が多いことや、地元志向が強いことなども特徴で、外からの刺激が少なく視野が狭くなりがちという課題を抱えている。 これから進路を考えていく生徒たちの視野を何とか広げられないか。同校では総合的な学習の時間を導入したとき、ほぼ現在の形に近い3年間を通した「進路探究」の時間に充てた。1・2年生は副担任がこの時間を担当(担任はLHR担当)。3年間のプログラムを作る際に中心的な役割を果たした教員は転任したが、残る先生方がその目的や意義を伝え続け、マイナーチェンジも行いながら形骸化させることなく総合的な学習の時間を運営している。 総合的な学習の時間では、リクルートによる進路講演会や教育実習生によるアドバイス、大学合同説明会といった「聴く」機会と、職業人インタビューの冊子や大学パンフレット、新聞などを「読む」機会を多く設けている。さらに同校には10分間の朝読書の時間もあり、自分の好きな本を紹介するビブリオバトルも進路探究の時間に行っている。「外部の方のお話は生徒たちにとって〝本物〞に触れる機会。視野を広げることに直接的に役立っていると思います。一方、本や冊子を読むことも自分とは違う立場の人の気持や生き方を知ることにつながるので、進路探究の重要な部分です」と進路指導部の井川聡恵先生。志望校を決めるにあたってはパンフレット類をしっかり読み込んでほしいという思いもあり、1年生のうちからまず大学のパンフレットがどういうものか、手にとってみる時間も設けている。 2学年になると修学旅行などを挟みながら、具体的な進路先を考える時間が増えていく。生徒は『進学事典 研究号』を手にとり、ワークシートも使いながら各大学や学部学科の特徴を読み込んでいく。「ここで初めて知らない学部学科に出会える生徒も多く、視野の広がりを実感しています」と井川先生。例えば、経済学部と経営学部の違い、幼稚園教諭になるのに短大と四大の違いなどを比較するために必ず複数の学校のパンフレットを取り寄せ調べさせる。「ミスマッチを防ぐ狙いもありますが、進学は大きなお金がかかります。だからこそ、しっかり選んで、しっかり勉強することが大事。安易に決めず、たくさんの情報から熟考してほしいと思います」。地域に根ざした学校地元志向が強く広い視野をもちにくい経験不足を「聴く」「読む」でカバー多くの選択肢の中から進路を熟慮香川中央高校(香川・県立)課題外部からの刺激や資料を読み込んでの刺激を大いに吸収し考える材料に活用 自己理解  学問調べ  学校調べ  職業観育成【活用キーワード】「総合的な学習の時間=進路探究」を担当するのは1・2年生の副担任。各学年の主担当が進路指導部に所属し、年間計画に沿って運営する。ワークシート等を引き継ぎ、学年で多少のアレンジを加えながらも、「自分を知り、視野を広げ、人の考えを聞いて見つめ直す」という大きな流れは変わらない。また、非常に面倒見がいいことで定評のある学校で、進路に関するワークシートなども生徒全員の提出を促し、書けない生徒に対しては一緒に考えることも。生徒たちは進路関係のプリントなどはポートフォリオにまとめる。2年生で実施する友達インタビューはペアになって質問し合うもの。インタビューに答えるための資料作りがポイントで、そのための作業が自己を見つめる機会となる。1年生の2学期に大学や専門学校のパンフレットを読む練習をする。特に志望校に限らず配布し、パンフレットの内容から必要なことを抜き出してワークシートに記入。● 自分を知り、視野を広げ、 人の考えを聞いて見つめ直す● 大学パンフレットを読む練習● 友達へのインタビューを通しての 自己理解【1学年/自己理解】自己紹介・なかまづくり/図書館利用ガイダンス/進路適性検査・説明会/進路講演会/『じぶん未来BOOK』を読む/学問・職業調べ/コース志望理由書を書く/ビブリオバトル/大学のパンフレットを読む/新聞を読む/弁論大会を見る・弁論を書く/小論文講習会・模試/働くということ【2学年/自己啓発】得意なこと・いいところ/自己アピール文を書く/友達にインタビュー・傾聴/脳科学・勉強法/進路講演会・『進学事典』配布/教育実習生によるアドバイス/学部・学科説明会/この先1年を考える/修学旅行(コース別)事前学習/学校研究/大学等訪問事前事後学習/小論文講習会・模試/コースガイダンス【3学年/自己実現】小論文・志望理由書・面接指導などリクルートサービスを活用した実践事例【進路】取材・文/永井ミカ1987年創立/普通科生徒数915人(男子492人・女子423人)/進路状況(2017年3月実績)大学進学152人、短大進学22人、専各進学58人、就職15人、その他26人総合的な学習の時間年間計画(主なものを抜粋)※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.418)632017 JUL. Vol.418

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