キャリアガイダンスVol.418
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を問うという棲み分けがされる傾向がありました。これに対して、2020年度以降は、すべての入試が、各入試区分の特徴を活かしつつも、アドミッションポリシーに基づいて3要素を多面的・総合的に評価する方向へと変わっていくことになります。 そこで、高校の調査書に関しても、学力の3要素を多面的・総合的に評価するものへと改善する方向で具体案が出されています。 その一つが、教科以外の活動や資格・検定、表彰実績などを記入する「指導上参考となる諸事情」欄の拡充。また、評定平均値は、各教科・科目の評定を量的に単純平均したもので、きめ細やかな評価の軽視につながるとして、名称を「学習成績の状況」に改め、「目安」であることを明確化しています。大学側にも、入学者受入方針に基づき、調査書や志願者本人の記載する情報を〝どのように〞活用するかを募集要項に明記することを求めています。 推薦書は、本人の長所だけでなく、学力の3要素に関する評価を必ず求めることが明示されました。 それ以外にも、生徒の資質・能力の育成に向けて、指導と評価の改善を一体として進めることや、2024年度以降は指導要録の見直しも進められ、さらには「キャリア・パスポート(仮称)」などを活用して、生徒が自らの学習状況やキャリア形成を見通したり、振り返ったりすることが求められていきます。 前出の英語の民間検定試験の導入に加え、共通テストの採点についても民間事業者を活用することが具体的に検討されています。 このうち前者に関しては、大学入試センターが認定したものを活用することになっていますが、評価方法と受検費用等公平性の確保が検討課題です。 まず、民間検定試験はそれぞれ目的や狙いが異なるので、学習指導要領との整合性が保てるのかという問題が一つ。 また、民間検定受験に関しては、地域格差、経済格差が大きく影響する懸念があるとして、受験会場や検定料などへの配慮が求められているところです。平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告に盛り込む内容等について(案) [主なポイント]図2 このように、各大学が行う個別選抜に関しても、「学力の3要素」をしっかりと見ていく改善案が提示されたことが大きなポイントです。 従来、AO入試では知識・技能は問わず面接などで人物を評価する、一般入試では筆記試験で知識・技能ポイント④調査書、推薦書等高校の活動履歴をより細かくみる仕組みづくりポイント⑤英語の資格・検定試験、共通テストの採点等民間の活用が具体化入試区分「一般入試」⇒「一般選抜(仮称)」(基本形) 「AO入試」⇒「総合型選抜(仮称)」「推薦入試」⇒「学校推薦型選抜(仮称)」特徴主として、共通テストや各大学が実施する教科・科目に係るテストに重点を置きつつ、入学希望者を多面的・総合的に評価する選抜主として、入学希望者が自ら表現する能力・適性、学習意欲、目的意識等を評価することに重点を置きつつ、入学希望者を多面的・総合的に評価する選抜主として、高等学校が在学中の学習成果を評価した上で、大学に対して行う推薦に重点を置きつつ、入学希望者を多面的・総合的に評価する選抜内容面での改善点(1)①教科・科目に係るテストの出題科目の見直し②国語を中心とした記述式の導入・充実など作問の改善③英語4技能評価の導入※上記①~③は総合型選抜・学校推薦型選抜でも推奨●「知識技能の修得状況に過度に重点を置いた選抜基準としない」とする実施要項の記載の削除●志願者本人の記載する資料(例:活動報告書、入学希望理由書、学修計画書)等を積極的に活用し、詳細な書類審査と丁寧な面接による評価の充実※活動報告書の様式例の提示●「原則として学力検査を免除」とする実施要項の記載の削除●推薦書の中で学力の3要素の評価を必須化内容面での改善点(2)調査書や志願者本人の記載する資料等(*1)の積極的な活用調査書等をどのように活用するかについて、各大学の募集要項等に明記*1:その他、エッセイ、面接、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、各種大会や顕彰の記録、総合的な学習の時間等における探究的な学習の成果等に関する資料や面談など調査書等の出願書類だけでなく、各大学が実施する評価方法等(*2)又は大学入学共通テスト(仮称)のうち、少なくともいずれか一つの活用の必須化*2:例えば、自らの考えに基づき論を立てて記述させる評価方法(小論文等)、プレゼンテーション、口頭試問、実技、教科・科目に係るテスト、資格・検定試験等の成績など(注)入学者受入れの方針に基づき、活用する評価方法(実施時期・内容を含む)や比重について、各大学の募集要項等で明確化実施面での改善点●試験期日:1月25日(*3)~ 3月25日まで*3:又は大学入学共通テスト(仮称)の追・再試験日の翌日のいずれか遅い日●合格発表時期:3月31日まで※総合型選抜・学校推薦型選抜でも教科・科目に係るテストを課す場合は同様●出願:9月以降(現行より 1か月後ろ倒し)●合格発表時期:11月以降 (新規)※入学前教育の充実●出願:11月以降 (現行通り)●合格発表時期:12月以降(新規)※入学前教育の充実ポイント③学力の3要素がどの入学者選抜でも測られるようになる出所/文部科学省「高大接続改革の進捗状況について」2017年5月16日(一部編集部にて抜粋・加工)Introduction ▶▶▶動き始めた大学入学者選抜変わる大学入学者選抜 何を問うか、どう育むか。92017 JUL. Vol.418

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