キャリアガイダンスVol.419
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122017 OCT. Vol.419目指したい働き方は?図6「質の高い授業の実現」 「生徒の主体性向上」など教職員全員で共有したビジョンの達成に近づく、手応えを得る子どもたちのために頑張りたい十分な時間を確保して取り組みを振り返り、改善を図る効果(時間対効果等)の高い取り組みの優先順位をつける子どもたちのためになることは何でもやろうとする仕事が際限なく増えて先生は疲弊し、自己研鑽もできない結果的に教育の質が低下子どもたちのためにならない取り組みをがむしゃらに進める一定の効果はあっても同じ時間と労力でもっとやれたことが…機会を逃し、今ひとつ子どもたちのためになっていない共有した課題やビジョンをもとに仕事が仕分けられる子どもたちの何のために頑張るかを教職員で話し合う課題やビジョンを踏まえた業務改善のための話し合い学校の重点課題やビジョンを共有するための話し合い先生の思い『思いのない学校、思いだけの学校、思いを実現する学校―変わる学校、変わらない学校実践編【I】』妹尾昌俊(学事出版) そうして取り組みが実を結んでいくと、教職員や保護者のモチベーションが高まります。皆で力を合わせやすくなり、焦点を絞った取り組みで効果も高まって、時間的・精神的な余裕が生まれます。先生方は生き生きと働けるようになり、ほかの課題にも力を注げるようになり、結果、「子どもたちのため」にもなっていくのです。 こうした働き方改革を進めるために、校長をはじめ管理職の先生にお願いしたいことが二つあります。 一つは「場をつくる」ことです。私は、校長先生が必ずしも自らビジョンを掲げて皆を引っ張らなくてよいと思うんですね。それよりも教職員全員で集まり、そもそも論から具体論まで話し合う機会をぜひ設けてほしい。その時間は、多忙な先生方にさらなる負担を一時強いることになっても確保すべきだと思うのです。 もう一つは「決める」ことです。課題やビジョン、戦略について先生同士で意見を出し合えば、さまざまな価値観の対立が生じます。その際は、ある程度議論を尽くしたうえで、誰かが決めることをしなければ、延々話し合いが続くか、あれもこれもいいねとなって焦点がぼやけます。 場をつくり、最後には方向性を決めて、話を前に進めることが管理職の先生の役割だと私は思うのです。 もっとも、組織全体の改革ではなく、チームごとに行う業務の改善であれば、個々の先生がリーダーシップを取れる場面もあるでしょうね。 例えば、進路指導部の先生で、そもそも進路指導では何を大事にしたいのか、そのために今ある業務をどう見直すかを話し合う。修学旅行の係の担当で集まり、旅行で何をもたらしたいか、そのためにどんな仕込みには力を入れ、何は削減するかを考える。有志のメンバーを2〜3人集めてから「高大接続の勉強会をやりませんか?」などと、他の先生も興味があるテーマを投げかけ、その枠組みで多忙化解消を話し合うのもよいと思います。そのテーマにおける課題やビジョン、仕事の精選を考えていけばよいのですから。 先日、私がある高校の校内研修を担当させていただいたとき、先生方全員にビジョンや戦略を話し合ってもらったら、すごく楽しそうだったんですね。これまでは、そうやってお互いの価値観を真剣に戦わせられる場がなかったというのです。 組織体制や時間的制約から、高校ではそうした場を設けるのが難しい、ということを、私も現場を回って痛感しています。ですがそれは逆にいえば「今後の伸びしろが大きい」ということ。学校はまだまだ変わることができます。先生方には、忙しすぎることをあきらめないでほしいです。最も大事なことは場づくりと決めること妹尾さんの著書紹介『「先生が忙しすぎる」をあきらめない―半径3mからの本気の学校改善』妹尾昌俊(教育開発研究所)教育研究家 妹尾昌俊「働き方改革」で、どこへ向かう?Interview

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