キャリアガイダンスVol.419
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332017 OCT. Vol.419思いや哲学やミッションがなくて、何で学校を引っ張れるかひらかわ・りえ●1968年生まれ。同志社大学文学部卒業。民間企業在職中、企業派遣生として南カリフォルニア大学大学院に留学、MBAを取得。帰国後の99年に留学斡旋会社を起業し、事業売却までの10年、無借金・黒字経営。2010年公募により女性初の公立中学校民間人校長に就任。横浜市立市ヶ尾中学校を経て、15年より現職。自立貢献の教育理念のもと学校改革に邁進。文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程特別部会委員。平川理恵(横浜市立中川西中学校 校長)だ、民間だって忙しいわけでツボが違うだけ。だからマスコミが「大変、大変」と連呼するのには違和感があります。大変だけれど楽しさややりがいもあるわけで、「忙しいからブラックだ」と結論づけてほしくはありません。荒井▼僕のテーマの一つが権限移譲。「生徒に良いと思うことは私が責任をとるから躊躇せずに始めてください」と。ただ、それだけではますます忙しくなってしまいます。そこで必要なのが「やらない勇気」。校務のなかには相当数、不要な仕事があるように感じました。何が重要なのか一人ひとりが真剣に考えなければいけません。平川▼その点では、主幹教諭を含めて何時間も話し合いました。結果、私たちの仕事は、生徒一人ひとりの自己実現を支援すること。加えて、公立中学校の役割として地域のセーフティーネットになることの二つであることを確認しました。その上で、優先順位をつけようと。結果、2年次の遠足などいくつかの行事をやめました。部活動も練習時間を自主規制してもらいました。ついでに言うと部活動は教育課程外。だから顧問へのクレームは一切受け付けませんと保護者に伝えたことで対応が随分ラクになりました。荒井▼高校では部活動が大きな課題です。本来教員は授業で勝負するべき。部活動に力を注ぎ、授業中は寝ているといった状況は是正しないといけません。だいいち、労務管理をしているのかさえグレーなボランティア的な制度は、民間の経営感覚からしたら気持ち悪くて仕方ありません。やるのであれば対価を支払う必要があるし、責任ももたないといけない。部活動の改革は必ずやりたいことの一つです。日野田▼部活動について、大阪府は今、強制的に休みを一日いれることになったのですが、本校も休みを促しています。この間、全国優勝を果たしたダンス部の活動は現在週4日。それでも結果は残せるのです。これとは逆に、定期テストに伴う部活動の休止期間をやめることを検討中。そんな制度があるからテスト前の1週間しか勉強しなくなるわけだし、休み明けにケガが起きやすくなる。テスト期間中も活動させる代わりに、原則週3日の活動にすれば総時間数は変わりません。荒井▼公立でありながら私の理想的な働き方改革の取り組みをしているのが日野田さんの高校ですよね。日野田▼一部の教科などでは定期テスト自体もやめる方向で検討中です。少なくとも実技教科であると本校では定義した英語のテストは廃止する方向で検討しています。また、夏期講習を含め補習・補講をやめたうえ、球技大会など行事も減らしました。文化祭も予算だけ渡して生徒に任せるようにしたい。文化祭や体育祭は生徒が自主的に行うものですから。平川▼高校生くらいであれば、それで「働き方改革」で、どこへ向かう?管理職の「本気」と「覚悟」が学校を変えるSpecial Talk

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