キャリアガイダンスVol.419
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342017 OCT. Vol.419部活よりも受験よりも本気で挑戦できるものがある学校文化であれまったく問題ないですよね。日野田▼働き過ぎの先生にはよく「生徒にブラック企業で働く癖をつけるんですか?」「我々の勤務の枠組みは学習指導要領の範囲内。それ以外は自己満足」と言い続けています。お隣ががんばっているのに先に帰るのは気が引ける、といった同調圧力もあるでしょう。そのため「休まない先生が足を引っ張っている」とも言っています。平川▼本校にも黙っていると何十時間も残業する若手の先生がいるのですが、「過労死の基準は残業何時間か知ってる?」と聞き、こう続けています。「80時間。4で割れば週20時間。つまり一日4時間。21時以降ここにいたら死ぬからね!」。それくらいはっきり言わないと伝わらない。日野田▼今では多くが19時くらいには帰るようになりました。「有給を取れるようにする動き」まで始まっています。生徒は先生の疲れを見抜きますから、いい傾向です。平川▼疲れているのなら思い切って休めばいい。本校でも、「1年ぐらいボーッとしながら違うことをしたら」と私が背中を押したことで、50代の教員が南国の島に1年間行っていますよ。――働き方改革ではスタッフとの協働や地域連携による業務の効率化も期待されています。平川▼PTAは共に学校を創っていく存在です。例えば、本校は2年で職場体験をするのですが1学年360人もいるので大変な負担。しかも一日だけなので職場観察で終わってしまいます。そこで私が営業部長、PTA関係者6人が営業部隊となり事業所を開拓。その結果、3日間の職場体験が可能になりました。日野田▼PTAは頼もしい存在ですががんばりが空回りすることもあります。そこで何をサポートしてもらいたいか明確にしたうえで、今はICT機器などさまざまな物品の寄付をしていただいており、大変助かっています。荒井▼僕は、保護者や地域の人とフランクに話せる場を作ろうと、校長室をときおりカフェのようなスペースにしています。きっかけは、お掃除をお願いしている方との茶話会でした。労をねぎらったところ「いつも生徒が挨拶してくれて楽しいですよ」という返事。就任直後「この学校の生徒は挨拶しない」と聞かされていたため驚きました。早速、全校集会でその話をしたところ、自然と挨拶が増えていきました。日野田▼本校では教育関連企業とも連携し、ワークショップ型の授業を共同開発しています。エキストラカリキュラムとして試行し、良いものは各自の授業に取り入れていくようにしたところ、今では3分の1の授業がアクティブラーニング形式に変わりました。外と内のノウハウをミックスすることで新しいものが生じます。――取り組みをチームで行う前提として、校長が明確なビジョンを掲げる必要があります。荒井先生、日野田先生は「本気で挑戦する」「チャレンジし続ける」という言葉を掲げていますが、思いを聞かせてください。荒井▼着任直後、教職員を前に「教員免許も経験もないが覚悟だけはある」と話しました。覚悟なくして人を育てることはできませんし成長もありません。それをマイルドに表現したのが「本気で挑戦する」。生徒だけではなく我々に投げかけた言葉です。【ハミダシ語録】「僕は『頑張る』という日本語がどうしても苦手です。頑(かたく)なに強張(こわば)るという意味だから、要するに人の話を聞かない。日本人は真面目すぎる。緩くいきましょうよといつも言っています。かつては会議でもよく聞きました。『なんで皆さんそんな怒っているんですか? 会議になった途端、人相が変わっていますよ。ちょっとお互いの顔を見てみませんか。生徒の前でそんな顔をしてはるんですか?』って。そんなこともあって、今度、笑顔のワークショップスタイルの会議をしようと話しています」(日野田校長)

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