キャリアガイダンスVol.419
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352017 OCT. Vol.419【ハミダシ語録】「校長になって1年半、今でも『指導』という言葉に違和感があります。すごく上から目線。40年間生きてきて、息子としても、父親としてもこの言葉を言われたことも言ったことも記憶にありません。学校は指導することに縛られすぎている気がします。教員になりたい人って、学校の先生との良い出会いがあったはず。それっておそらく指導とは違うところにあったのだと思うのです。でも、いざ足を踏み入れると、そこは指導だらけの世界だから、いつしか自分も指導する側に回ってしまう。だから僕は、どうして教員になろうと思ったのかを先生方に聞くようにしています」(荒井校長)あらい・ゆたか●1975年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。20 08年にソフトバンク入社。7年にわたり社長室で勤務し、子会社3社の取締役を歴任。孫社長による100億円の寄付金の一部を原資に東日本大震災復興支援財団を設立し被災地の支援活動に従事。福島県立ふたば未来学園高校の設立にも尽力。2016年2月より現職。就任1年で入学者数を倍増させる。荒井 優(私立・札幌新陽高校 校長)日野田▼本校が「生徒・教員がともにチャレンジする学校」と言っているのも、先生がチャレンジしないと生徒もチャレンジしないから。「大人があんな挑戦をしているのだから俺らも」となることを期待しています。荒井▼若者対象のワークショップで本気で挑戦したことについて話してもらったことがあります。すると高校生はみな部活、大学生は受験なんです。本気で挑戦する対象がそれしかないのは絶対におかしい。部活よりも受験よりもすごいことに本気で挑戦できる環境を整える必要性を感じました。平川▼本当にその通りですよね。思うに、民間と違って売り上げ目標のない公立の学校において、思いや哲学やミッションなくして何で学校を引っ張れるか。本校の運営方針は「自立貢献」です。今の日本の停滞した現状を打破するには、誰かに依存するのではなく、自分にできることは何かを考えることが大切だと思うからです。この言葉は本当に浸透していて、地元の夏祭りで挨拶のために壇上にあがるや、在校生や卒業生から「自立貢献!」とはやされるほど(笑)。学校が団結する合言葉になっています。――最後に改めて、何のため、誰のための「働き方改革」なのでしょうか?平川▼ひと言で言えば「人が人らしくあるため」のものだと思います。今の日本の状況は、親は生活を維持するために必死で、子どもは部活終了後に塾に行くため食事さえばらばら。そうしたなかで幸せに育つのだろうか、豊かな人生を送れるのだろうかと思ってしまいます。私自身、かつてワーカホリック的なところがありましたが、娘との時間を大切にするなど今はワークライフバランスを重視しています。多くの人が充実した時間を送るための改革であってほしいと思います。日野田▼スタンフォード大学のある調査に「今日の気分は何点?」というものがありました。日本人の点数が総じて低いのは予想通り。原因の一つは、そもそも幸せとは何か、何のために生きるのかについて深く考える機会を与えられないまま脱個人化し、社会に出てもそれが続くこと。もっと考える時間をもたなくては。夢は学校にバカンス制度を入れること。2カ月休暇をとってリフレッシュし、生き生き授業をする。それを生徒が敏感に感じとる。そんなことばかり考えています。荒井▼何のための働き方改革かといえば、それは教員のため。先生方が教える人ではなく、学ぶ人にならなければいけないし、そのためには外に出ていくことです。来年、一週間ほどかけてキャンプ場で授業する計画があるのですが、それに先立ち、この夏10人ほどの先生とキャンプをしてきました。焚火を囲みながらの教育談義。いろいろな意見が聞けて有意義でした。そうしたゆとりが結果として生徒のためにつながることを期待しています。――今回、本気・覚悟・挑戦などの力強い言葉が印象的でした。生徒を見守りつつ、現場の状況を見とり、ビジョンを共有したうえで、本気になって学校経営に取り組むことが学校を変えていくのだと改めて感じました。本日はありがとうございました。管理職の「本気」と「覚悟」が学校を変える「働き方改革」で、どこへ向かう?Special Talk

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