キャリアガイダンスVol.419
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田中康之成田高校 同付属中学校 校長まとめ/堀水潤一 撮影/竹田宗司1898年創立。2018年に120周年を迎える。運営は学校法人成田山教育財団。高校の学級編成は、1年次が特進α、選抜、一般クラスなど計8クラス。2、3年次が特進α文理混合、選抜文理混合、一般文系、一般理系クラスなど計8クラス。成田山新勝寺に隣接する敷地内には付属小学校もあり、教員志望の高3生が毎週土曜日、年間を通して小学生と交流する連携実践授業なども実施。成田高校・付属中学校(千葉・私立)たなか・やすゆき1951年生まれ。二松學舍大学文学部卒業。74年成田高校に国語科教諭として着任し、高校5回、中学2回の卒業生を担任として送り出す。76年より高校男子バレーボール部の顧問として約30年間指導。素人部員を中心に育て、県大会ベスト4に2回、ベスト8に3回の戦績を残す。93年より付属中学1学年主任となり、高校卒業まで連続学年主任。2001年に高校教務部長。以降、中・高校教頭、同副校長などを経て16年4月より現職(付属小・中学校校長を兼務)。千葉県私学中高協会理事、成田市バレーボール協会理事。年齢を重ね、管理職として部活動指導やクラス担任から離れる際、自身の中で葛藤があったものの、学年、学校、さらに県全体を俯瞰して見ることができるようになり、教育の世界の奥深さを実感。二人のお子さんも同校の卒業生。 本校は、「成田山の宗教的使命の達成」と「地方文化の向上」を建学の理念として創設されました。宗教教育を前面に押し出してはいませんが、生徒は毎日、成田山新勝寺の門前を通り、参道や地域の方に見守られながら通学していることもあり、不動心(お不動様の御心)に示される思いやりの心や人に対するやさしさ、さらに挨拶などが身に付いているように感じています。 地方文化の向上についても、成田市周辺の発展を念頭に、地元に有為な卒業生を輩出してきました。校是である文武両道の伝統を継承しつつ、生活にめりはりをつけ、心に余裕をもたらすよう、地元の祭りへの参加に力を入れるほか、学校行事も充実させていくつもりです。 これまでの本校には石橋を叩いて渡るところがありました。新しい取り組みも他校の様子を見ながら始めることで、二番煎じ・三番煎じになってしまいがち。慎重なのは悪い事ではありませんが、変化の激しい時代では取り残されかねません。何事もやってみなければわからないし、失敗したら私が頭を下げればいいだけ。生徒に必要ならばすぐに取り入れるのが今の基本方針です。 その一つがICT環境の整備であり、タブレット端末などを段階的に取り入れ、授業や課外学習に活用しています。今夏は、オープンキャンパスの報告をパワーポイントで行う取り組みを開始しました。ただし機器を導入したことで満足していてはだめで、効果を見極めながら柔軟に対応します。「一度始めたから5年間はこのままで」という発想だけは避けなくてはなりません。 私が校長に就任したのは昨年度ですが、前任者は4代続けて公立高校の校長出身でした。校長が交代するたび少しずつカラーが変わるなか、率直に意見具申するのが私の役割でした。時に本音でぶつかりましたが、学校運営に関するさまざまなことも教えていただきました。そのため「今度はかみつかれる側か」と覚悟していたのですが、久々の内部職員からの就任という安堵感があるのか、まだ職員室は落ちついています。一方で、進路指導部や入試広報などから建設的な提案も出始めており、その動きが広がることを期待しています。私を困らせるくらいの、積極的な意見や提案を待っています。 一教員としては子どもたちから多くのことを教わりました。特に、弱小の男子バレーボール部が奇跡的に二度も強豪校に競い勝ったとき、諦めない気持ちの強さを実感しました。生徒を信じていた半面、勝利は難しいかなと感じていた私に、「先生、俺らは諦めなかったよ」と語っているかのような試合後の彼らの表情を見て感情がたかぶりました。生徒の前で涙を流したことは後にも先にもこの時だけ。生徒をとことん信じる。そういう教員であり続けたいと思います。成田山教育財団運営の伝統校ながらICTを活用した先進教育を実践石橋を叩いて渡るのではなく、積極的な提案で私を困らせてほしい372017 OCT. Vol.419

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