キャリアガイダンスVol.419
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組みの一つひとつに対して「身に付けさせたい力」を意識してきた。今後、各取り組みをリンクさせていくことで、より効果的な全体設計につなげていきたいという。 次々とキャリア教育を進めていくなかで、先生方から「育てたい生徒像が明文化されていないのに…」という声が上がった。そこで、放課後、教員の研修会を2回実施。将来像構想委員会が発足して1年半後の2016年11月、2回目にワールドカフェ方式を採用したところ、各グループから「失敗させる」「助けない」「旅」「体験」などのワードが出され、委員会の先生方は知識注入だけではない体験を重視したキャリア教育が受け入れられる土壌ができ上がりつつあることを実感したという。路別受験ガイダンス、学年別懇談会を実施。昼はPTAが無料軽食を用意した。生徒も午前中は生徒総会などを行い、午後の進路別ガイダンスに出席もできる。 「保護者がいちばん気になる進路情報を目玉にして来校していただき、生徒、保護者、学校が三位一体となることを目指しています」と渡部恵太先生。進路別受験ガイダンスでは理系、文系、医療系、専門学校、海外など9分野に分かれ外部講師が話をするが、例えば、文系大学受験「首都圏私大で学ぶ意義〜東京で学ぶこと・文系学部の価値〜」といった講座もある。「首都圏の大学を無理に勧めるわけではありません。生徒と同じように、保護者にも刺激を感じてもらいたいんです。事実、このガイダンスを聞くまで札幌以外の大学、ましてや東京に子どもを出すことなんて考えたこともなかった。今後はそれも検討したい。視野が広がったという保護者の方もいらっしゃいました。生徒へ刺激を与えながら、保護者への意識付けも急務だと思います」(渡部恵太先生) 同校では福島先生が中心となり『Kariスマtimes』というプリントを発行しているが、これも保護者が読むことを意識したもの。学校行事や部活動、進路・キャリア学習の紹介の他、定期テストで出題された「決まった解のない問に対して記述して答える問題」や、道外へ進学した卒業生の生活ぶりを紹介するなど、視野を広げてもらう工夫をしている。 このときに出席できなかった先生たちのために、意見を書き出した模造紙をすべて写真に撮ってポスター化。当日のアンケートへの記入もすべてまとめ直してプリントアウトし、翌日、全教員に配ったという。「その後も別の研修会で貼り出したり、何かと活用しながら校内連携の強化を図っています」(福島先生) 今年度、2回目を開催した「ファザーズ・マザーズDAY」。各学年主催の保護者向け行事の参加者が年々減っていたため、関心を高め、連携を図ることが必要との判断から、推進室主導の全校行事に切り替え、企画・実行した。 日曜日に保護者に来校してもらい、午前中はPTA総会、午後は保護者向け進進路指導実践を磨く! 普通科編石狩南高校の進路指導のスタンス自発力を生む刺激と深く長く考え続ける力と 本文中にも「育てたい生徒像が明文化されていない」とあるが、少なくとも「◯◯大学に◯人合格」ということを進路指導の目標にするのは違うという方向性は出ている。漠然とはしているが、それぞれがそれぞれの道で卒業後も輝き続けることが重要で、そのために自発的に知識を身に付け活用する力を付けてほしいと、先生方は考えている。 「自発力を生む刺激とはなんだろう。これさえやれば良しという答えは出ていませんが、いろいろ試しています。生徒は楽しみながら、きっといろいろなことに気付いているのだと思います」(渡部恵太先生) とにかく一斉にできることから始めたため、初年度の2015年の3年生にも「刺激」による効果があった。その年のセンター試験受験者数が過去最高になり、翌年もさらにそれを更新したという。 ただし、素直に吸収しすぎる危険性もある。だからこそ、次に取り入れたいのは深く長い期間にわたって取り組む「探究型のプログラム」。単発的な刺激だけに翻弄されず、常に考え続けることの重要性を訴えていきたいそうだ。ワールドカフェの手法で教員の問題意識を可視化校内連携の強化三位一体を目指して学校の思いを保護者に伝える保護者とつながる校内研修の様子と、それによって生まれた意見の書かれた模造紙。出席できなかった教員にも内容を共有し、ことあるごとに活用しているという。保護者を中心にさまざまな人に情報を発信するための『Kariスマtimes』。学校ホームページからも読むことができる。412017 OCT. Vol.419

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