キャリアガイダンスVol.419
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 青翔開智中学校・高校は、「探究」「共成」「飛躍」をキーワードにした教育方針を掲げて2014年に開校した、生徒総数200人の小さな学校だ(図1)。その経営母体は、「生徒一人ひとりを大切に」をモットーとし、「公共性・独自性・永続性」を経営の柱とする学校法人鶏鳴学園。「地元に私立の予備校がなく都会に出ざるをえない状況をなんとかしたい」と予備校を設立し、「県内の不登校者数の多さを放置できない」と不登校経験者のための全日型通信制高校を開校するなど、使命感をもって幅広い種類の学校運営にあたってきた。 青翔開智中学校・高校設立にあたって、学校法人理事長であり同校校長を務める横井司朗先生が目指したのは、「生徒それぞれがやりたいことをやれる学校」だ。 「『個性の尊重』を掲げる学校でも、『集団』が優先され、みんな同じように行動することを良しとする場合が少なくありません。そんな学校生活に馴染めず、学習に躓いたり、不登校になってしまった生徒たちを、これまで塾や通信制高校の運営のなかでたくさん見てきました。そんな生徒も、やりたいことをのびのびできる学校にしたいと考えました」(横井校長) 開校当初、同校には校則すらなかった。学校側がすべてを用意して押し付ける生徒と共に創ってきた真の個性尊重を目指す学校図書とICTによる探究型学習で主体的な課題解決力を育成のではなく、生徒と共に学校を創っていきたいと考えたからだ。校則は第一期生徒会によっていったん制定されたが、その後「もっと青開らしいものを」と声があがり、いまだ議論が続いている。クラブ活動は生徒が教員全員に対してプレゼンを行い、4分の3以上の賛同を得ることで創部される。現在までに13のクラブ・サークルが立ち上がった。修学旅行の内容も生徒が考えるが、生徒の希望を尊重してあえて一本化せず、グループに分かれて実施した年もある。このほか、学園祭、宿泊研修、入学式や卒業式などの学校行事は、生徒会や生徒のプロジェクトグループが中心になって創ってきた。 カリキュラムにおける最大の特色は「探究型学習」だ。入学時から高校2年まで、総合的な学習の時間を使った科目「探究基礎」を設置(各2単位)。「あらかじめ用意された答え」のない課題に取り組む探究活動を行っている。 「中学から預かる子どもたちが大学卒業後、社会に出るのは10年後です。グローバル化やロボット・AIの進化によって、人の仕事内容や働き方は大きく変わっているでしょう。そんな未来を見据え、自分で課題発見して解決していく人を育てたいと考えています」(横井校長) 探究型学習を実践するうえで重要なツールとなる図書とICTの充実には、校舎設計段階から力を入れてきた。「図青翔開智中学校・高校を訪れ、まず目を奪われるのは、ユニークな校舎や最先端のICT設備です。しかし、同校の本質はそこではなく、ハード環境によって効果的に実践している教育の中身にあります。その柱にあるのは同校オリジナルの探究型学習。生徒の進路にも確実に結びついています。取材・文/藤崎雅子先進校に学ぶキャリア教育の実践クリエイティブな発想力を重視した独自の探究型学習を軸に進路を切り拓く青翔開智中学校・高校(鳥取・私立)探究型学習 ICT環境 図書館 デザイン思考 課題解決型職場体験 予備校連携482017 OCT. Vol.419

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