キャリアガイダンスVol.419
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中1中2中3高1高2パーソナル探究クリエイティブ探究アカデミック探究修了論文IDEACamp※2:アドビ システムズ株式会社「Gen Z in the Classroom: Creating the Future」より※上記は主な取り組み。高校入学者は2年間に圧縮して実施● IDEA Camp(新入生)デザイン思考を鍛えるための2日間のデイキャンプを実施。「20年後の学校とは?」「20年後の家庭とは?」などについて、1日目はデザイン思考を使ったワークショップを行い、2日目は専門家を前にプレゼンする。鳥取市内の企業を訪問し、仕事体験、社長や従業員へのインタビュー、ユーザー行動観察なども行い、デザイン思考を使ってその企業の課題解決に取り組む。● プランニング講座(中1)デザイン思考を使って「鳥取市に魅力的な〇〇を創ろう」にチームで取り組む。「〇〇」は毎年異なり、2016年度は「カフェ」、2017年は「美術館」をテーマに取り組んでいる。● ディベート講座 (中2後期)2016年は「鳥取県に山陽新幹線を開通すべきか」、2017年は「鳥取県に美術館を開館すべきか」をテーマにディベートを行い、クリティカルシンキングを育成。● 個人研究(高2)「探究基礎」の集大成として、各自がテーマを設定して論文を作成し、発表も行う。論文集は製本される。● 課題解決型職場体験(中2前期)● 社会課題解決ゼミ(中3後期)今年度は「SDGs」を切り口として鳥取の社会問題に取り組んでいる。カードゲームやブロックを使った表現活動などのワークショップを行った後、ゼミに分かれて活動する。データの取り方・見方を学ぶ。校外に出て集めたデータを地図上に示すことで地元の課題を見つけるなど、数字を使って論理的に考える。● データ サイエンス 入門 (中3前期)場合にも、0から1を生み出すような画期的・革新的なもの・サービスの創造に有効とされ、クリエイティブな仕事の現場で注目されている。 開校準備から関わってきた副校長の織田澤博樹先生は、エンターテインメント業界でテーマパークやイベントの企画を行っていた前職の経験から、クリエイティブな力を発揮する価値や楽しさを知っている。 「ある調査では、自らを『創造的』と思う日本の12〜18歳はわずか8%と、米国、英国、オーストラリア、ドイツの平均44%に比べ著しく低い結果でした(※2)。創造的思考は生まれつきの才能によるものではありません。自分自身も後天的に身に付け、それによって仕事を充実したものにしてきました。生徒にもぜひその楽しさを伝えたいと考えています」(織田澤副校長) こうした経緯をたどって、現在の「探究基礎」には、「クリエイティブ探究」「アカデミック探究」「パーソナル探究」の3つのフェーズがある(図3)。これを中学入学者は5年間で取り組むが、高校入学者は2年間に圧縮して行う。具体的にどんなことを行っているのか、中学入学者のケースを追ってみよう。 最初のフェーズである「クリエイティブ探究」(中学1〜2年)は、デザイン思考を使った2日間のワークショップ「IDEA Camp」から始まる。その上で、デザイン思考の手法を駆使して主に2つの講座に取り組む。 1つめの「プランニング講座」では、地元に新しい何かをゼロから創るグループ活動を行う。16年度のテーマは「鳥取市に魅力的なカフェを創ろう」。実際にカフェに足を運び行動観察するフィールドワーク、ブレインストーミングによる企画出し、図書とインターネットによる情報収集などを通して企画立案し、その内容をコンテスト形式で競う。優勝グループのプランは、地域のコミュニティスペースで1日カフェとして実現させた。 2つめの「課題解決型職場体験」は職場体験学習の発展形といえる。市内の企業を訪問して仕事を体験するだけでなく、働く人へのインタビューや職場の観察も行い、その企業の課題を見つけ解決策を提案する。 例えば、昨年、雑貨店で職場体験したグループは、来店客を観察するなかで隣接する書店の袋を持つお客さんの多さに気づいた。「この店は書店のついでに立ち寄る客が多いのではないか」と考え、後日に保護者アンケートを実施したところ、仮説が間違いでなかったことが判明。その特徴を生かした集客策として、「ブックカバーの販売」や「書店のレシートを持参するとドリンクがもらえるサービス」などを雑貨店経営者に提案した。 「探究型学習において教員の役割は応援と進捗管理ぐらいです。生徒のアイデアに対して、『なぜそう思うの?』などの問いは投げかけますが、『こうしなさい』と職場体験で企業の課題を見つけ解決策の提案まで行う図3 「探究基礎」ロードマップ(中高一貫のケース)502017 OCT. Vol.419

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