キャリアガイダンスVol.420
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自らのものの見方・考え方と、主体性を育む授業 各教科で育成した「知識・技能」と「見方・考え方」を使い、探究学習を通して、各校が目指す資質・能力を育成することが求められている。SSHとして探究学習に力を入れている桐生高校では、探究的な活動に取り組む前段階として、課題設定の方法や姿勢を養うために、産業能率大学の杉田一真准教授らが開発支援した「主体的学習者育成プログラム」を導入。今回星野亨先生のクラスで実践したのが、その「問題発見編」の授業だ。 桐生高校では学校設定教科「探究」で、地域課題に取り組む独自の「桐生学」を探究学習として実施している。1学年で聞く力、課題発見力、読解力、情報収集力、データ分析力などの「学びの技法」と、桐生についての知識を修得。2学年で桐生について探究し論文を書き、3学年でそれまでの探究の成果を英語によるスピーチや論文でまとめている。 今回の授業は、1学年の「学びの技法」に取り組むにあたり、自ら課題を発見できる「主体的学習者」とは何かを生徒が実体験しながら考え、主体的に学ぶことの重要性を体得するものだ。授業の構成は、実際に存在する商品やサービスが開発された背景などを考えるウォーミングアップクイズに始まり、演習では、ある家庭の食卓風景について気付いたことを書き出していくワークを行う。その際、縛りがなく自由に考える時間の後に、それぞれの生徒がある専門家という役割をつけて再度同じことを考えてみる仕掛けがある。 星野先生のクラスは、日頃の探究の授業や、星野先生が担当する英語科でのアドリブ的なアクティブラーニング型授業に慣れているためか、話し合いが非常に活発で臆せず発言する生徒が多い。授業を受けた生徒たちの感想を33ページで紹介しているが、主体的に学ぶことの必要性だけでなく、授業で先生が語ったこと自体にも別の視点から自分の考えを書いていた生徒もいるなど、短時間で非常に多くのことを吸収しているようだ。また、紹介した感想以外でも、多くの生徒たちが「考えることが楽しい」と答えていた。 主体的学習者となるための起点は、自らの見方、考え方をもち問題意識をもつことだ。生徒たちが能動的に興味をもって、社会のものごとを多面的な視点で見たくなるような仕掛けが盛り込まれた授業の様子を、次ページで紹介する。学校設定科目「探究」教員歴26年。英語科教諭。テニス部顧問。2017年に桐生高校着任。前任は英語教育に力を入れている中央中等教育学校で、国際的なコミュニケーション能力の育成を目指した授業を行っていた。その経験を活かし、現在も英語でのoutput活動に重点を置き、生徒に自由に発言させ、思考力を高めるアドリブ型の授業を行っている。桐生高校 (群馬・県立)星野 亨先生授業実践者取材・文/長島佳子、撮影/平山諭1917年創立/普通科、理数科/生徒数835人(男子737人、女子98人)/進路状況(2017年3月実績)大学221人、短大0人、専修その他6人、就職1人、その他45人学校データ知的好奇心の刺激によって能動的に主体性をもつ探究ならではの見方・考え方を提示①授業の目的を提示②ウォーミングアップクイズ③アドバイス主体的学習者になるための気づき④演習1 観察して気付く⑤演習2 役割意識で観察⑥まとめと振り返りングイ観察役割振実況レポート付き桐生高校(学校設定科目「探究」)「見方・考え方」を働かせる授業312017 DEC. Vol.420

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