キャリアガイダンスVol.420
32/66

授業を実践してみて 今回の授業は、すべての問いが生徒の興味と思考をかきたてるようにできていて、探究学習で生徒たちが自分のテーマを見つけるために役立つと思います。ウォーミングアップクイズの「問2」は、多くの生徒たちが持っている人気の運動靴だったので、当初は「すぐ答えが出るのになぜこの設問?」と思いましたが、答え自体、つまり常識や前例に疑問をもたせる狙いに感服しました。 演習ではこちらの予想を超えた内容を書いていたり、想定外の質問を投げかけてくる生徒もいました。そこからまた発想が広がることもあるので、そうした質問も受けとめて、脱線しすぎないようにしていくのが教員の役割だと感じました。 観察して課題を発見し、解決策を考えて実行し、修正してまわりとシェアするという探究の手法は、教科の学習や部活にも役立つと常に生徒たちに伝えています。それが社会に出てから求められる力なので、教科の授業でも探究的な視点をもてる題材を今後も取り入れていこうと考えています。授業を実践した感想を星野先生にうかがいました。予想を超えた発想をした生徒たち教科でも探究の視点をもたせたいウォーミングアップクイズを受け、3つの例について考えたように、探究学習において重要なポイントをアドバイスする。日常風景から困りごとを発見し、解決した商品・サービスに関するクイズで、多様な視点と考え方を引き出す。今日の授業が「主体的学習者」を目指す目的であることを生徒に提示。なぜそれが必要かも説明。ウォーミングアップクイズの3つの例の共通点として、どれも何気ない日常風景をよく観察したことによって、人々の困りごと(問題)を発見した例であることに注目させる。探究学習においても、よく観察することが重要であることを伝える。3つの例から、商品やサービスの背景を想像してみる。授業の目的を提示するために、「今社会が求めている人物像」について、データをもとに考えさせる。今社会が求めている力は「主体性」「協働性」「やり抜く力」で、そのなかで「主体性」に着目し、「学習において自ら考えて行動できる人」になるための授業を行うことを提示。アドバイスウォーミングアップクイズ授業の目的を提示【探究学習に向けてのアドバイス】【主体的学習者とは?】【各問のねらい】【各世代の入社時の資質】①唯一絶対の答えはない②常識や前例にとらわれない③自分にもできる!社会の大人が困りごとを発見したように、観察すれば生徒たちにも課題を発見できることを伝える。日常のなかに、工夫を加えられることがたくさんあることに気付き始めた生徒たち。先生は実物の写真を見せながら1題ずつ出題。生徒たちはワークシートに考えを記入。自分の考えを挙手で発表。多数の意見が続出。40代30代20代自ら考え行動することができる56%32%7%指示されたことだけをやっている10%17%56%仕事におけるコミュニケーション能力にたけている56%38%13%職場においてコミュニケーションをうまく図れない5%9%37%失敗や困難があってもやり遂げようとする意思が強い62%36%9%失敗したり困難な仕事に直面すると自信を失ってしまう6%13%44%(1)自ら考え●世の中の事象を、問題意識をもって観察することができる。●観察によって得られた気づきを多様な視点から解釈できる問題発見(2)自ら行動できる人●解釈を踏まえて問題解決のアイデアを発想できる問題解決見方・考え方と、主体性を育む授業実況中継出所:労働政策研究・研修機構「入職初期のキャリア形成と世代間コミュニケーションに関する調査」(2011)【問1】JR西日本では、駅のホームの「ベンチの向き」を、線路に平行から垂直に変えました。なぜでしょう?【問2】ある運動靴メーカーの人気商品は左右非対称ソールという構造です。この構造は小学生のあるニーズを満たすために開発されました。そのニーズとは?【問3】ある医療機器メーカーが、検査装置(MRI)をペイントしました。なぜでしょう?【問1】JRの意図(酔っ払いの転倒防止)を当てることではなく、生徒の多様な意見を吸い上げる。【問2】正解(狭くコーナーが多い都市部の校庭で、子どもたちがかっこよくバランスを崩さず走れるため)に対して疑ってみる視点をもつ。例:校庭が広く直線コースが多い学校では不要など。【問3】ペイントしただけで、MRIを怖がる子どもたちの恐怖心を緩和できたことから、少しの工夫で大きな成果が上げられることへの気づき。322017 DEC. Vol.420

元のページ  ../index.html#32

このブックを見る