キャリアガイダンスVol.420
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生徒の声(振り返りシートより)◆一番驚いたのは専門家という意識をもつだけで視点が広がったこと。一つだけ気になったのが、社会に出たときの能力に「情報活用能力」がなかったことです。今は情報は簡単に手に入ってしまうので、「主体性」「協働性」「やり抜く力」に加え「情報活用能力」が必要だと思う。◆今日の授業で問題発見のコツを発見できたが、最後に自分が思ったのは、問題発見の究極のコツは「思いやり」ということだ。誰かのために問題解決をすると思えば、いくらでも良いアイデアが浮かぶ。◆「批判的」とは、自分の意思的な批判ではなく、「他に解がないか」を考える今日の授業体験で学んだことをまとめ、生徒が授業で気付いたことについてふり返りシートに記入。今度は自分がある分野の専門家であるという役割を与えられ、その視点でさらに気付いたことを書き出す。「生活科学研究所の研究員」という状況設定のもと、ある家庭の朝食と夕食の風景写真を見て、気付いたことを書き出す。演習で何を体験したのかを先生から改めて解説。主体的学習者となるために、問題意識をもつことの大切さ、そのためにできることについて説明。班員を「栄養学」「環境学」「教育学」の専門家という担当に振り分け、専門の内容を踏まえたうえで、新たに気付いた点を追加していく。生徒自身の役割と、問いの状況設定を提示し、班ごとに自由に意見を出し合うワーク。役割ごとに、数人の生徒が気付いた点を発表他グループの模造紙を見に行って、ヒントを得て気付いたことをさらに書き足す。まとめと振り返り演習2 役割意識で観察演習1 観察して気付く【問題意識を育むためにできること】【状況設定】●何気ない日常的な事象でも「なぜだろう?」と考える癖をつける。●さまざまなジャンルの知識、情報に触れ、世の中の事象を解釈するための視点を得る。●自分自身や社会に対して、ありたい姿、あるべき姿を思い描くようにする。専門家の役割を担当したことで、特定の問題意識をもって初めて見えてくるものがあることを確認。それぞれの専門分野について書かれた説明を読んで、自分の役割を把握する。役割を与えられたことで、次々と新しい付箋が付け足されていった。数日分の朝食と夕食の写真が貼られた模造紙に、気付いた点を書いた付箋をどんどん貼っていく。生徒たちの振り返りシートにはびっしりと感想が書き込まれていた(下記参照)。保存料が多いこと、成分を上げての栄養の偏り、食卓に文房具があること、品数が多すぎると廃棄が増えることなど、生徒たちからは予想を超える多種多様な意見が出ていた。教室を歩き回って、他グループの意見を見に行く。他グループの模造紙から、新たな気づきを得る生徒たち。 栄養学ってこういうことかこんな見方も あるんだ!生徒たち●生活実態について調査する「生活科学研究所」の研究員●小中学生の子どもの食生活の実態について調査中写真の食事をした家族●共働き夫婦と、中2でサッカー部の長男と、小3の次男の4人家族●父は帰宅が遅く、家族揃って夕食を食べるのは週1・2回●長男は朝練があるため、一人で朝食を食べたり、塾がある日はコンビニ弁当で夕飯を済ませることが多い●次男も塾がある日は夕食を一人で食べることが多い※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.420)答えのない問いに向かっていくには、さまざまな知識のインプットが必要です。インプットがあるとそれを使って考えてアウトプットしたくなります。探究学習は各教科で学んだことを統合していく場で、インプットとアウトプットを繰り返したくなるような、知的好奇心を刺激する問いの設定が、授業設計に求められると思います。「批判」であることに気付けた。「他の意見」も聞いたり、立場を変えれば考えが広がり、そうすることで問題が解決できると感じられた時間だった。◆自分は「探究」ということに興味があるのだということに気付いた。今まで探究は漠然としていてよくわからなかったが、今日の授業で私たちの身近に起こりうるすべてのことなのだということを発見し、常に社会で求められることと理解した。これからは主体的、積極的に探究に参加していきたい。◆自由に考えることは、規模が広すぎると柔軟な発想をかえって妨げてしまうように感じた。しかし、「自由」を「小分け」することで、とりとめのなかった思考も論理的にすることができた。この「小分け」は生活だけでなく、勉強でも役立つと思うので大切にしていきたい。◆(社会人の世代間の違いについて)若い世代は「考えない、動かない」のではなく、「考えた、動いた結果、その仕事が裏目に出てしまった」から、「考えない、動かない」ようになってしまったのではないかと思った。高校生の私たちはいくらでも失敗が許されるので、今のうちに失敗して慣れようと思った。◆私はよく人に流された考え方をするので、これから物事を考えていくときには、別の視点からたくさん考えられるようにしていきたい。産業能率大学杉田一真准教授授業設計支援者より※この授業で使用した資料は、キャリアガイダンスのHPからダウンロードできます。桐生高校(学校設定科目「探究」)「見方・考え方」を働かせる授業332017 DEC. Vol.420

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