キャリアガイダンスVol.420
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岩手県内5校の高等学校に勤務し、平成21年に県外派遣教諭として青森県立八戸西高校に異動。 その後、岩手県教育委員会学校教育室「学力・授業力向上担当」主任指導主事、盛岡第三高校副校長、 大野高校校長を経て現職。担当教科は数学。教育委員会時代から現在に至るまで、 授業改革と教員文化を変える取り組みを継続的に行っている。『つながる高校数学』(べれ出版)『アクティブラーニングの評価』(東信堂)など著作多数。国際数学教育者会議(ICME)カナダ大会(1992年)、日本大会(2000年)で発表。全国大会での発表および講演多数。ブログ「あなたと夜と数学と」を日々更新中。岩手県立花巻北高等学校校長下町壽男 教科の授業はどうあればいいか、ということを考えるうえで、私は過去に、とっても幸せな経験をすることができたんですね。何かというと、初任で勤務したところが、勉強嫌いな子がたくさんいる学校だったのです。「学校なんてなくなればいい」と口にする生徒もいて、私の担当教科である数学については、それこそ苦手な生徒ばかりでした。プリントで因数分解の問題を出せば、解答欄にうんちの絵とか「死ね」とか書いてくる(笑)。この生徒たちに数学を教える意味があるのかな、と悩んだこともありました。 そのなかで思うようになったのは、生徒たちに何よりも数学の楽しさを知ってほしい、ということでした。 数学の楽しさというのは、「数学的な見方・考え方」(図1参照)を働かせて問題を発見・解決したときに味わえる醍醐味です。求めたかった答えに自分の力でたどりつけたときの喜び。ある物事を式や図やグラフで表してみると、そこから法則を見出せたり、それがほかの法則と結びつくのを発見したりして実感できる、数学の世界の美しさや不思議さ。 そうした数学の楽しさを噛みしめ取材・文/松井大助 撮影/西山俊哉 イラスト/しもまっち(下町壽男先生)教科ならではの「見方・考え方」を働かせながら生徒が物事を学び、そのなかで「資質・能力」も育む。そうした学びを実現するには、どんな授業にしていけばよいでしょう。そのことを模索する際は、「そもそも私たちは見方・考え方をどのように手にするのか」ということへの理解が欠かせないようです。長年授業研究をされてきた下町先生にお話を伺いました。問題を解く気もない生徒と教科の感動を分かち合えるか生徒が自ら気づき、引き寄せた 見方・考え方 が人生を楽しくする342017 DEC. Vol.420

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