キャリアガイダンスVol.420
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482017 DEC. Vol.420 今回のケースのような生徒には、気休めや一般論、軽い冗談などでのごまかしは、まったく通用しません。まずは生徒が苦しんでいる状況をまっすぐに受け止めて、覚悟をもって対応し、しっかりがんばっていこうと伝えることが大事です。そのためには、言葉よりも態度が重要になってきます。話をするときも、他の仕事をしながら片手間に話を聞くのではなく、正対して、「この先生に話をすれば、苦しさをわかってもらえるかも」と思ってもらうような態度や表情、目力が必要になってきます。 実際、先生方の多くは、このような受験期に成績が伸び悩むということは、当然あるものだと理解されているでしょう。だからといって、「みんなそうだよ」「この時期はそんなものだ」という言葉だけでは、苦しんでいる最中の生徒の耳には届きません。こんな先輩もいた…というのでも、まだまだ遠い。むしろ、先生自身がかつて受験や勉強で体験した伸び悩みの時期や苦しさ、そこをどのように乗り切ったかなど、実体験をぜひ話してあげてください。私も、高校時代に恩師が語ってくれた「伸び悩みの時期や、成績の上がり下がりがあったとして教育カウンセリング心理学の専門家の視点から、ケース対応の極意をアドバイスいただきました。会津大学 文化研究センター上級准教授 苅間澤勇人先生かりまざわ・はやと●1986岩手大学工学部卒業後、岩手県立公立高校教諭に。早稲田大学大学院教育学研究科後期博士課程単位修得退学。教育学、教育カウンセリング心理学を専門とする。2015年4月より現職。一般論や気休めは禁物。正対して、先生自身の体験談もみんなで支え合う!教室の環境づくりも大事 脳科学者・池谷裕二氏の『のうだま』(幻冬舎)から、「〝やる気が出るからやるのではなく、やるからやる気が出る〞。体を動かすことで、スイッチを入れることが大切!」などのネタを紹介したり、本を渡し読むように勧めます。他に、『最新脳科学が教える高校生の勉強法』(東進ブックス)なども紹介したりします。 まず、「現役生は最後まで伸びる」ことを伝えます。もちろん、〝感覚〞だけでなく、これまでの生徒やいろいろな〝DATA〞を基に!しかも、その伸びは〝直線〞ではなく〝指数曲線〞であることを伝えます。ブレイクスルーは「蓄積」の後だから、まさしく模試がすべて終わった時期からと安心させます。さらに、「不安」はみんながもっていることなので、思いを共有し、チームとして同じ方向を向いていくことをクラスで確認します。 まず学習内容や方法を聞き出し確認します。どの教材のどこをどのようなペースで学習しているか聞いていきます。そして、昨日の学習成果が今日出るわけではないということも確認していきます。必要があればプラトー現象(成長の停滞期)の話などをし、自分の価値を高める努力を続けることの大切さを伝えたりもします。適度な不安や焦りは良いエネルギーになりますが、過度ではブレーキになることも。「安易に妥協し自分を安売りしないように。苦しいときは登り坂。力がついている自覚症状である。これからの努力が人生のがんばりの証明書になる。受験を通して人間的に成長してほしい」という主旨の話をします。 まさに、専門学校、推薦やAOで決まった生徒が増えて授業が落ち着かないので、以下3点を心がけています。1.不安の共有私ならこうする!こうした!実際に、読者の先生方がどうされたか・どうされようとするかをお伺いしました。やる気の出る本を紹介(静岡・県立高校 匿名希望)DATAをもとに励ます(兵庫・県立高校 匿名希望)苦しいときこそ成長!を伝える(鹿児島・県立高校 匿名希望)クラスづくりを丁寧に!(香川・県立高校 匿名希望)

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