キャリアガイダンスVol.420
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SSHとSGHをダブル指定。生徒とともに教員が成長を実感できるプログラムを岩崎政次名城大学附属高校 学校長まとめ/堀水潤一 撮影/臼井美喜夫1926年名古屋高等理工科講習所開設。48年名古屋文理高校として開校。51年名城大学附属高校に改称。99年総合学科開設。2003年普通科に国際クラス設置。06年スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定(現在3期目)。14年スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定。土曜サロン、各種高大連携講座、海外研修、SSH東海フェスタなど多彩な取り組みを実施。名城大学附属高校(愛知・私立)いわさき・まさじ1952年生まれ。名城大学理工学部卒業後、名城大学附属高校教諭。99年名城大学理工学部研究員。2006年教育開発部長・SSH担当。09年教頭、16年より現職。教科は工業、情報、数理。レスリング部の指導にも尽力し、1991~99年まで日本レスリング協会総務委員。93年から2年間愛知県国体局に出向し、94年の愛知県国体ではレスリングの運営責任者に。95年には全国高校選抜チームのアメリカ遠征団長を務める。自身最大の転機は、普通・商業・電気・機械科からなる同校が、99年に普通科・総合学科に改編したこと。新たに情報の免許を取得したうえで、生徒の現状に照らし総合学科の教育課程を抜本的に見直す。その後、教育開発部長・SSH担当、教頭、校長として学校改革を継続中。愛知県レスリング協会副会長、名古屋市レスリング協会副会長。 本校は、普通科(特別進学クラス、一般進学クラス、スーパーサイエンスクラス、国際クラス)に加え、総合学科に数理・社会探究・地域交流・ビジネスの4系列を置くなど、多彩な教育課程をもつ高校です。2006年にSSHの指定を受けて現在3期目。14年にはSGHの指定も受けています。もともと体験的な学びを重視してきた本校ですが、これらの指定を通じて、一部のクラスだけではなく、すべてのクラスの教育課程に先進的な学びのエッセンスを移植。多くの生徒が興味・関心を夢へとつなげています。 例えば、一般進学クラスのある女子生徒はSSHのプログラムを活用しながらロボット製作に携わり、研究発表で訪れた京都大学に憧れを抱きました。その後、メカトロ部での活動や、台湾やUAEへの研究旅行を通じて高めた学びに対する意欲を認められ、同大学の「特色入試」に合格。深い学びを継続させています。 私は先生方に、「一番能力がないから校長をしている」と話しています。能力がない分、がんばるのは最初だけ。100メートル走で言えば最初の5メートルだけであり、スタートダッシュの専門家です。人が、前例のない挑戦に躊躇するのは失敗を非難されたくないから。その部分を請け負っているつもりであり、うまく走り出したものを手渡せばいいと考えています。早くからNIE(新聞学習)やマインドマップなどの教育手法を取り入れたり、英語が不得意でありながら海外の高校と協定を結んだりしているのも、その結果。総合学科改編時のカリキュラム改革にしても、SSHの指定に際しても、私が力を注いだのは最初だけで、あとはベテランの知恵を借り、若手の向上心に期待しただけです。 リソースは限られていましたが、どんな学校にも宝物は埋まっているもの。本校の場合、実業系の学科があり、課題研究や実習に力を入れてきた実績がありましたから、それを理数教育にどう展開できるかを懸命に考えました。思うに成果とは、すでにできていることと、できていないことを合体させたもの。良い部分を磨き、穴を埋めていくことで生まれるのだと思います。 本校にはまた、附属校としての強みがあります。後にノーベル賞を受賞する赤﨑、天野両先生を始め、名城大学の先生方には高大連携講座や講演ほか、多大なる協力をたまわりました。現在も、「高大協創」というテーマのもと、双方の教員が課題研究の指導法や評価について検討する組織を設置し、研究開発を進めています。 教員は生徒とともに成長するもの。生徒が変わる瞬間を目の当たりにする以上の研修の機会はありません。生徒の成長のために始めた取り組みを通じて、いつの間にか教員も成長している。そうしたプログラムをできるだけ多く作ることが今の私の役割です。生徒や教員の成長を、自分の満足につなげていきたいと思います。すべてのクラスの生徒に先進的な学びのエッセンスをスタートダッシュの専門家走り出したところで手渡す512017 DEC. Vol.420

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