キャリアガイダンスVol.420
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尚絅学院は、キリスト教精神を土台とする人間教育を125年にわたり行ってきた歴史をもつ一方、4年制大学としては2003年に新たなスタートを切った若い大学です。 特色は少人数で行う現場主義の実践教育。学生との距離が近く、手間暇を厭わない教員が多いこともあり、PBLやアクティブラーニングが注目されるずっと以前から、現場に出て、自分で感じ考え、対話しながら学んでいくタイプの授業を行ってきました。2000人に満たない学生数は、そうした少人数教育を可能にしつつ、多様な興味・関心に応じた幅広い学びを提供できるちょうどいい規模。迅速な教育改革を行ううえでも適してい改善や学習支援の材料になると期待しています。 本学はまた、学習環境の整備にも力を入れています。と言っても、ラーニング・コモンズ建設のような大掛かりなことは時間もかかるし、費用対効果も疑問です。ならば、キャンパス全体をラーニング・コモンズ化してはどうか、というのが私たちの考えです。ロビーや学生会館、廊下の片隅などにちょっとしたスペースを設け、そこかしこで学生が学習する。その様子を見た別の学生が朝早くから登校するようになる。そうした学習中心の生活習慣を定着させたいのです。取り組み開始以来、各所で教科書を開く学生の姿を目にするようになりました。教職員にとって、大変うれしい光景です。 本学に限らず、将来に対して明確な目標をもつ学生がいる一方、「今はまだわからない。もう少し世の中を見てから決めたい」という学生がいるのは当然のこと。それはモラトリアムではなく、自分の可能性を試したいという積極的な意志の表れでもあります。そのため大学は両者に対応したプログラムや選択肢を用意しなければなりません。適正規模で幅広い分野をカバーする尚絅学院には、そのための工夫の余地が十分あると考えています。【学長プロフィール】ごうだ・たかふみ●1954年生まれ。東京大学法学部卒業。The University of Michigan, Ann Arbor大学院修了。78年文部省入省。文化庁次長、文部科学省科学技術・学術政策局長、同生涯学習政策局長、国立教育政策研究所フェローを歴任。2014年4月より現職。【大学プロフィール】1892年米国バプテスト派宣教師により尚女学会開校。1950年尚絅女学院短期大学設置。2003年尚絅学院大学開学。総合人間科学部(表現文化学科、人間心理学科、子ども学科、現代社会学科、環境構想学科、健康栄養学科の1学部6学科。学生の自己評価や学習環境の整備によって学びのモチベーションをあげるます。私が就任した翌年には環境構想学科を改編。それを機に全学的な教育課程改革がスタートしました。意欲ある学生が、海外体験や地域活動を通して実践力を身に付ける「国際教養コース」「地域実践コース」という学科横断型の特別コースを設けたのもその一環です。 また、「SPレーダー」というチェックシートを使った学生による自己評価の取り組みも開始しています。ディプロマポリシーに基づき、学習達成度を自己診断するもので、「こういう経験をした結果、こうした力が身に付いた」と振り返ることで、成長を実感し、学生生活のモチベーションを高めることにつながるはずです。同時に、授業̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/小野寺真希尚しょうけい絅学院大学学長合田隆史592017 DEC. Vol.420

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