キャリアガイダンスVol.420
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高校生活で養う課題意識・コミュニケーション力これからの推薦・AO入試指導「総合的な学習の時間」の改革に取り組んでいます。これからプロジェクト型の学習を取り入れるにあたって、推進のポイントや考慮すべきことを教えてください2020年の大学入試改革においては、「学力の3要素」を測るために今まで実施されてきた推薦・AO入試の試験方式が多く採用されそうです。推薦・AO入試対策指導でよく出る質問について、藤岡氏が答えていきます。連載 プロジェクト型学習(プロジェクト学習、課題発見・解決型学習、ゼミ授業、探求学習などさまざまな言い方がありますが、以降、PBL)推進における課題は大きく以下の5つといえるでしょう。 (1) フリーライダーの発生 (2)生徒の提案がありきたりになる (3) 進路につながらない (4) 評価・効果測定が難しい (5) 先生の意思統一が難しい これまでの連載で触れてきた内容もありますが、推進してきた私自身の後悔も含め、改めて先生方にお考えいただきたいことを提案したいと思います。実はこの5つともに、乗り越えるためのポイントは、教員の意識改革にこそあると考えています。 推薦・AO入試の拡大や高大接続・大学入試改革に向けて、アクティブラーニングの名の下、多くの高校がPBLを実施するようになりました。私も2003年に当時、大学院生として通っていた慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで実践されていた「プロジェクト」を高校教育に応用させ、課題発見・解決型キャリア教育やPBLの高校現場での導入に努めました。 高校現場は10年前に比べると相当、様子が変わりました。情報伝達型の授業から、教室でグループを作り、ディスカッションをする授業が増えました。ディスカッションのテーマは貧困や格差問題から地域活性化などの社会問題まで。また、高校生が学校を飛び出し現場に出て、情報収集し、活動して、結果を周囲にプレゼンテーションする。プレゼンの聞き手は「このような学びが私たちの時にあれば」と目を細める、という状況が全国で散見されます。 PBL拡大に情熱を燃やしてきた私はさぞかし満足…と思われるかもしれませんが、実は、最近は後悔をしています。むやみにPBLを推進したことで高校現場を混乱させた後悔です。PBLを形だけ取り入れても現場は混乱するだけでしょう。先生方の意識改革が必須です。 PBLは本当に期待されていた教育効果を発揮しているのでしょうか。5つの課題は、PBLを実施する先生方へのヒアリングから浮かびあがってきたものです。以下、課題ごとに提言をしたいと思います。(1)主体性を発揮できない生徒が   フリーライダーになる フリーライダーとはただ乗りの意味、作業を他の人に任せきり状態の生徒のことです。これは生徒がPBLのテーマに対して、当事者意識をもっているか、またチームワークに慣れているかによって決まります。PBLは期待された効果を発揮しているのか?PBLを実施する先生方の苦悩と課題602017 DEC. Vol.420

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