キャリアガイダンスVol.420
64/66

「進学校としてもっと伸びるために今年度から学校改革に着手しました」と言うのは進路指導部の黒澤佑司先生。東北学院中学校・高校は進学校として長年実績を作ってきた。しかし、第2希望校として入学してくる生徒もいる。「従来は公立の進学校の滑り止めと捉えられがちでした。しかし今後は第1志望として選ばれるよう、生徒を志望校に合格させる、やる気のある生徒をより伸ばす、上位層を難関大学合格に引き上げるなど、進学実績のさらなる向上を目指すことにしたのです」(黒澤先生)。 入学する生徒の学力は高く、しっかり学習し授業についてくる。しかし、自分で掴み取ろうとするモチベーションが足りない。それには学校が行うキャリア教育が不十分ではないかという反省点もあった。難関大学合格のためには、必ずぶつかるであろう壁を乗り越える力を付けさせたい。そのためには、強い進路意識を醸成する時間が必要だと感じていた。 学校改革にあたって、これまで使っていたキャリア教育関連の外部教材を見直した。「適性検査などをやってはいたものの、単発的でした」と黒澤先生。そこで、進路を深く考え高い志望をもつという目標に向かって、ステップをふんでいける一連の教材としてスタディサプリ進路を取り入れることにした。「冊子やワークシートを使うだけで、流れに乗れるのが良かった。適性検査もうまく組み込まれていて、何のために今この取り組みをするのかということがよくわかります」と言う。 まずは高校1年生の5月に、秋の文理選択に向けた進路学習をスタート。その際、今年度の1年生から全員が1台ずつ持つことになったノートPCを活用することにした。「初めてPCを持った生徒が操作に慣れるためもありますが、進路学習の成果をすべてデータとして保存できる点がメリット。過去の自分は何を考えていたか振り返ったり、希望進路について検索した結果に足跡をつけたり、自分の成長がすべて残ります」(黒澤先生)。 進路学習は、朝自習の時間も使って進められる。働く50人の仕事インタビューが掲載された冊子『未来事典 CAREER』を各自が読み、その紹介動画を各自のPCでイヤホンを使って視聴もする。また、80学問・154の仕事について調べ学習ができ、学問と仕事のつながりもわかる冊子『仕事・学問BOOK』にも目を通しておく。 そのため総合的な学習の時間の進路学習は非常に効率よく進められる。クラスごとにワークシートへの記入や適性検査、グーグルスライドを使ってのまとめなどを行った。 始めたばかりの学習だが、7月の第1回文理選択調査では、深く考え迷う生徒たちの姿があったという。「学校改革で私たちはより質の高い授業の提供を目指しています。しっかり型に乗ってついてきてほしい。そして生徒たちは自身で進路を考え、壁を乗り越える力を付けておいてほしいと考えています」(黒澤先生)進学実績を伸ばすために進路意識を醸成するためのキャリア教育が必要難関校への進学意欲を高めたいICT教育とリンクさせたキャリア教育東北学院中学校・高校(宮城・私立)課題冊子やワークシートを活用するだけで流れに沿うことができる活用 職業観育成  文理選択  ICT教育【活用キーワード】取材・文/永井ミカ1886年創立/普通科/生徒数1092人(高校、男子のみ)/進路状況(2017年3月実績)大学進学300人、短大進学1人、専各等進学7人、就職3人、その他72人高校1学年担任・進路指導部黒澤佑司先生『仕事・学問BOOK』で紹介されている80の学問をシンキングツール「座標軸」に記入する。座標軸は同校オリジナルのワークシートで、横軸は文系⇔理系、縦は興味・関心の高い⇔低いとなっている。時間が余った場合は、学問についてさらに詳しくネットで調べる。最後に自分が興味がある・面白いと思った学問を3つ記入する。結果を席の近い生徒同士シェアする。●1回目『仕事・学問BOOK』付属のワークシートに記入しながら、興味のある学問と仕事についてさらに深く調べていく。最後に席の近い生徒同士シェアする。●2回目ワークシートに記入したことを基に、自分の興味のある学問と仕事についてグーグルスライドにまとめる。●4回目進路適性検査を受ける。●3回目文理選択のための学習(1年5月~6月)スライドにまとめたものを使ってプレゼンテーションする。●5回目グーグルの「クラスルーム」という機能を使い、スライドの資料をクラスルーム(クラウド)上に保存する。担任への提出と、クラス全員での内容のシェアを兼ねる。●さらに…リクルートサービスを活用した実践事例【進路】642017 DEC. Vol.420

元のページ  ../index.html#64

このブックを見る