キャリアガイダンスVol.421
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102018 FEB. Vol.421 私は学校説明会などで、「10年後の未来はどうなっていると思いますか?子どもにはどうなっていてほしいですか?」と保護者に投げかけて、まわりの方とも話しながら考えてもらっています。アクティブラーニング(以下AL)の保護者会版です。すると「想像もつかない」という声や、さまざまな考えが出てきます。もちろん正解はありません。しかし自分なりの答えは出さなくてはなりません。そしてこのとき保護者の方々が体験しているような思考の過程が、これから子どもたちを待ち受けている学びなのだと体感してもらうのです。 未来についてのこうした問いを考えるうえで、以下の3つのポイントがあります。①今の世の中を知ること 未来は現在の延長であるため、未来を想像するには、今がどんな世の中で、何が起きているかの知識が必要では、入試としては我々教員や保護者が体験したことがなくても、普段の実生活、言うなれば人生そのものではないでしょうか。例えば教員にとって「どんなクラスをつくっていくか」ということもそうですし、家庭での子育ても同様です。世の中は正解のない問いの連続であるのに、学校現場の勉強だけが、一つの答えを導く場だったのです。 今までは知識の「習得」に重きを置かれてきましたが、これからは得た知識で自分はどう考えるのかという知識の「活用」が重要になってきます。知識を活用させるために、先ほどのポイントの②の、異なる考えとの出合いが必要となってきます。自分とは違う多様な考え方に触れたときに、「なぜす。②自分と違う考え方に出合うこと 自分一人の知識や考えには限界があるため、さまざまな人のものの見方や考え方に触れて、思考の幅を広げることです。③自分を知ること ①と②を踏まえたうえで、「自分は何者なのか」「自分は何がしたいのか」と、自分をつきつめたときに、初めて自分軸が見えてきます。 新しい入試やこれからの社会と向き合っていくためにも、この3つのポイントが重要になります。 校長は生徒や先生方にも直接教育方針を伝えることができるので、その際も、同様の手法でこの3つの話をしています。すると、それまで「なぜ入試が変わってしまうんだ」という雰囲気だった生徒や教員たちの、潮目が変わる瞬間が出てくるのです。 正解のない問いについて考えること違うのか」「自分はなぜこう考えたのか」思考を深めていくからです。こうした多様性との出合いや思考を深める手法として、AL型授業が有効なのです。 AL型授業は話し合いや発表などの形式が先行してしまうと、予定調和になりがちですが、本来の目的は生徒たちが思考することです。大切なのは形式ではなく、いかに本質的な「問い」をたてられるかです。正解がなく、生徒によって意見が分かれやすい「問い」であるべきなのに、教員が勝手に正解をイメージしてそこに導こうとする問いや授業進行では無理が生じます。 また、今までの講義型の授業と異なる形式であることで、負担感や不知識の「習得」から「活用」へ授業形式は多様になっていく「10年後の未来はどうなっていると思いますか?」と保護者にも問うてみる正解のない問いについて保護者に体験してもらう

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