キャリアガイダンスVol.421
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 神奈川県立横浜清陵高校は、今年度、県立高校改革の一環として総合学科高校から単位制普通科へと改編され、校名も新たに再出発した(2018年度まで2学科併設)。 これまで総合学科で培ってきたキャリア教育や体験的な学びは、改編後も継承していく。その一方で、同校における大学進学率上昇傾向や地域性などを踏まえ、進学対応を強化する新たな方針を打ち出している。具体的には、今後始まる大学入学共通テストを見据えた教育課程編成、卒業単位数の引き上げ、英語の民間試験の導入など、これからの大学入試に対応した指導体制の充実。さらに、主体的・対話的な手法も取り入れた授業改善を積極的に行い、生徒の幅広い進路選択を可能にすることを目指している。 同校がこうした改編に際して力を入れていることの一つが、背景にある教育改革の流れをしっかり伝えるとともに、新しい学校の方向性を校内外に情報発信することだ。生徒募集のためだ教育改革の動向や最新データを基に学校改編で目指す新たな方向性を校内外に発信けではなく、在校生の保護者を含むさまざまな関係者に学校の方針や取り組みを理解してもらうことが、新体制を軌道に乗せるうえで重要という考えに基づいている。 その柱となる取り組みが、今年度から定期発行している学校広報『清陵』だ。昨年度、改編後の学校の方向性を知ってもらうために不定期に数回発行したものが原型となり、今年度から配布対象の異なる「A版」と「B版」という2種類の学校広報紙に発展した。どちらもA4判2ページを田中顯治校長が執筆し、それぞれ月1回のペースで発行している。 従来から学校ウェブサイトやPTA広報誌はあったが、内容は写真を中心とした行事や活動の報告によって、学校の雰囲気を伝えるもの。それに対し、新たに始めた『清陵』はほぼ文章のみで、学校からそれぞれの受け手に対するメッセージが込められている。 まず、「A版」は、在校生とその保護者を主な対象としたもので、生徒を通2004年創立/単位制総合学科・普通科/生徒数826人(男子316人・女子510人)/進路状況(2017年3月実績)大学134人・短大17人・専門学校74人・就職10人・その他40人取材・文/藤崎雅子総合学科から進学重視の普通科へメッセージ性の強い新たな広報紙を発行校長田中顯治先生図1 『清陵』のテーマ例図2 授業改善通信(校内教員対象)のテーマ例A版(在校生と保護者対象)B版(中学生と保護者等対象) 学校データ■第2号(6月)●学校見学(1) ~各大学の個性を見極めるための注目ポイント■第4号(8月)●「失敗を糧に」 ~失敗を成功の糧にする重要性/有名短期大学募集停止の意味するもの■第6号(10月)●「メタ認知能力って聞いたことある?」~メタ認知能力の重要性と鍛え方■第7号(11月)●「10年後、20年後に現在の半分の仕事はなくなるのか?(1)」 ~AIやロボットの進化がこれから働く人たちにどう影響があるか■ 学校基本調査や大学生の学習・生活実態調査などの各種データを踏まえた教育改革の方向性■「高校生のための学びの基礎診断」導入の背景・ねらい、概要など■ 授業における「発問」の重要性とポイント、注意点■「主体的・対話的で深い学び」の視点による授業改善の必要性■第2号(5月)●高校選び(1) ~高校選びの観点/高校選び・受験に向けて今から取り組んでおきたいこと■第6号(9月)●高校選び(5) ~志望校決定に向けた、比較検討の仕方・受験生保護者の関わり方■第7号(10月)●高校選び(6) ~「国立大学入試(英語)、20年度よりマークシート方式と民間試験が必須?」/「AO入試、推薦入試はどのように変わるのか!」ここからは保護者に教育改革をどう伝えるか。先んじて取り組む4つの学校の実践事例をご紹介します。262018 FEB. Vol.421

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