キャリアガイダンスVol.421
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じて各家庭に配布している。主に、社会や教育改革の動向、進路に関する最新データに基づいた、生徒に対する期待や進路選択のアドバイスなどが語られている(図1)。 「子どもたちが生きていくのは、保護者世代の考え方では通用しないかもしれない社会です。保護者の皆さんが、そんな現実について考えるきっかけになったり、わが子に安易な進路選択をさせないための参考になったりしたら嬉しいですね」 一方の「B版」は、主に中学生とその保護者、中学校教員や塾関係者が対象だ。通学圏内の中学校や近隣の塾など150校以上にポスティングや郵送で配布するほか、学校説明会で参加者に手渡しもしている。内容は、こちらでも社会や教育改革の動向と絡めながら、同校が目指す方向性を伝えている。さらに、高校選びの観点や高校入試制度の解説など、同校志願者かどうかにかかわらず幅広い中学生に役立つアドバイスもある(図1)。 「本校の良さをアピールして入学者さえ増えればよい、というわけではありません。一番の狙いは、本校の考え方に共感し、納得して入学してほしいということ。たった一度しかない人生ですから、不本意で入学したという後悔を引きずって高校生活を送ってほしくないのです。だから、単に普通科になるというだけでなく、どう変わるのかという考え方や方向性をしっかり示すことが重要だと考えています」(田中校長) 当初、『清陵』は2種類とも印刷物の配布のみだったが、一部の号を目にした保護者らから「バックナンバーも読みたい」という声が複数あり、現在は学校ウェブサイトにも掲載している。同様に、校内の教員向けに発行している授業改善通信も掲載しており、保護者はそこからも同校の動きを垣間見ることができる(図2)。 「たまたま手に取った『清陵』をきっかけとしてウェブサイトを見てくださる方が増えれば、学校の内容をより理解していただけると期待しています」(田中校長) 改編決定から1年余りで普通科一期生入学を迎えた同校は、昨年度の生徒募集にあたって、パンフレット制作が他校から数カ月出遅れた。しかし、ふたを開けてみると、普通科第一期の志願者は前年度を上回る数が集まった。パンフレット完成前から、今年度の『清陵』B版と同じように、随時、広い視野に立った情報発信を行っていた効果も大きそうだ。 そうして入学した普通科一期生は、総合学科時代の生徒とは志向性の違いが出ているという。そのことは、進学に力を入れていくという新たな方向性を理解したうえで入学した生徒の多さを物語っている。保護者の進学面への期待も大きく、学校の指導に対する意見や要望が例年より多いという。そんな状況を、「本校に興味をもってくれている証拠だから嬉しい」と田中校長は歓迎する。 「不十分な点があれば言っていただきたい。期待に応えようと我々も努力していきます。それが学校改革をより加速させていくことにつながるのではないでしょうか」(田中校長)保護者の声保護者からの意見・要望が学校改革を後押し在校生の出身中学のリストや、塾の場所を示した地図を基に、『清陵』B版を配布。総合学科時代より多くの受験生を集めている学校説明会でも、『清陵』が配布される。学校改革の状況がわかり安心感につながっています 以前より学校からの情報発信が増えたことで、保護者の安心感は増したと感じます。最近、印象的だったのは、学校ウェブサイトにあった授業改善通信です。それにより、先生方が社会人として必要な能力育成を授業に取り入れる努力をしてくださっていると知りました。私は新入社員教育の仕事をしており、日頃からその点が気になっていたので安心感につながりました。 また、私はこの3年間、PTA広報誌制作に携わっております。学校広報『清陵』からメッセージ性をもって情報発信する重要性を学び、今年度は内容を大きく変えてみました。以前は写真をたくさん入れた行事報告が中心でしたが、今年度は学校の良さを文章を交えて伝える特集を組むなど、これまでにない挑戦を行っています。PTAの立場からも、各家庭に学校の動きを伝えていけたらと思っています。PTA広報委員会/3年生保護者西川美由紀さん人生100年時代の高校生と保護者の未来意識Report① 横浜清陵高校(神奈川・県立)272018 FEB. Vol.421

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