キャリアガイダンスVol.421
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 2017年10月、静岡県立焼津中央高校は、中学生、高校生、保護者から、中学校教員や塾関係者までを対象にした学校説明会を開催した。 告知ポスターに「なぜ中央は飛躍しているのか? そして更なる飛躍に向けて…」と公立らしからぬ謳い文句を入れたその会の内容は、相当の充実ぶり。難関大学の現役合格者が体験を語り、彼らを指導した教師が躍進の要因を分析し、在校生も中学生向けにプレゼンし、最後にまた教師が、教育改革の流れとそれを受けての学校の取り組みを紹介した。 参加者は約300人。アンケートの記述では、学校や教育改革のことを理解できたという感想のほか、発表した先生たちへの称賛も目立った。 それは、教育改革が目指す「主体的・対話的な学び」を、その先生たちが体現中だったからかもしれない。 そもそも立案者の小関校長は、当初からこの説明会を「地域へのPR」と併せて「教育改革への対応準備」「ミドルリーダーの育成」を進める事業の〝過程の一つ〞と位置づけていた。いうなればプロジェクトの中間ゴール。それはどういうことかを説明するには、2017年度春に発足した、ネオアドバンス委員会の話から始めなければならない。 焼津中央高校では、生徒が勉強にも部活動にも熱心に取り組み、最近では進学実績も伸ばしていた。 だが、2017年度に同校に赴任した小関校長は危機感を抱いていた。 「高大接続、新テスト導入、学習指導要領改訂といった今後の改革でもたらされる衝撃の大きさを感じていたからです。本校も地域の拠点校として、そこに対応するために変わらなければいけない部分が多い、と。ただ、先生たちは目の前の指導を必死にやっているわけです。『大きな波が来るから変えよう』と叫ぶだけでは、『状態がいいのになぜ変える?』と思われて、うまくいきません」 ではどうするか。小関校長が取った路線は、順調だからこそ「この勢いを切っちゃいけない」と一層の前進を先生たちに呼びかけることだった。 具体的なアクションも起こす。重点目標に取り組む学校に予算がつく県の指定事業(学力向上ネオアドバンス事業)に応募。「進学実績向上と、学習指導要領改訂・新テスト導入を見据えた指導体制構築」を目標に掲げた。そしてその指定事業を進めるチームとしてネオアドバンス委員会を設置、図2取材・文/松井大助教育改革に対応する事業の中間ゴールでもあった説明会若手の企画・運営を管理職やベテランが支援教諭山梨達也先生教諭露木 隆先生教頭清水俊幸先生校長小関直樹先生図1 学校説明会における教育改革のプレゼン資料若手教員が「教育改革」「高大接続」「入試改革」について調査・議論・整理したうえでプレゼン資料にまとめ、そうした時代だからこそ自分たちが学校で取り組み出したアクティブラーニングの授業実践例と併せて、保護者に紹介。この活動を通して、若手教員の教育改革への理解は格段に深まり、「なぜこうした授業をやるのか」という裏付けがしっかりしたことで、自分たちの実践への自信も深まったという。1963年創立/学年制普通科/生徒数852人(男子397人・女子455人)/進路状況(2017年3月実績)大学247人・短大5人・専門学校10人・進学準備19人 学校データ明確な目的をもった分掌横断の委員会で教育改革に対応、その過程を説明会で発信282018 FEB. Vol.421

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