キャリアガイダンスVol.421
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まだまだ伸びしろがある学校を「チーム東北」として生徒・教員と共に成長させたい五十嵐征彦東北高校 校長まとめ/長島佳子 撮影/川島啓司いがらし・ゆきひこ1976年生まれ。日本体育大学体育学部卒業。小学生のときに、従兄が出場した高校野球大会(以下、甲子園)の応援に行き、野球に目覚め、自身も東北高校在学中に甲子園出場。大学の野球部では3年時からコーチを兼務。母校での教育実習を終えるときに生徒たちが別れを惜しんで涙してくれたことで、教員を目指す気持ちが固まりつつも、大学卒業後、2年間アメリカの大学に留学。そのときに野球チームのコーチを経験し、ミスを責めずに失敗を勲章として新たな挑戦を促す指導法に、日本の野球との違いを痛感。帰国後、慶應義塾高校硬式野球部コーチを務めた後、2001年に東北高校に体育科教員と野球部コーチとして着任。2004年に野球部監督に就任以降、3回甲子園出場に導く。2017年より41歳の若さで校長に就任。 昨年の4月に、母校である本校の校長を拝命いたしました。建学の精神である「個性尊重の人づくり」に基づき、本校は2つのキャンパスに6つのコースをもち、さまざまな個性をもつ生徒たち一人ひとりに寄りそった「面倒見のよい教育」を伝統としてきました。私自身が本校の生徒時代に授業や部活を通し、勉強やスポーツだけでなく、人としての礼節や諦めない精神などを学ばせていただき、当時の先生方も多数現役として活躍いただいています。社会や教育が大きく変わろうとしている激動の時代に、若輩である自分が学校を率いる役割を受けたことは、さまざまなことにチャレンジできるチャンスだと考えています。創立から123年の伝統の良い部分は守り、時代に合わせて変わらなければならない改革を押し進めているところです。 その一つとして掲げているのが「チーム東北」としての意識付けです。生徒の個性を伸ばすためにコースごとに特色ある教育をしてきたことは本校の強みでもありますが、キャンパスが分かれていることなどもあり、学校としての一体感がやや欠けている部分がありました。キャンパスやコースの垣根を越えて生徒や教員が協働する場面を増やしていくことで、先生方は他の先生の指導方法を学ぶことができ、生徒たちは多様性を受け入れつつ、全校で同じ方向を目指す愛校心の醸成にもつながっていくと考えています。 そのために、それぞれの先生が考える課題や展望を洗い出す目的で、全教職員と個別に面談を行いました。面談を通して、一人ひとりの先生方の特性や生徒への強い想いなど、改めて本校の教職員のポテンシャルの高さに気づかされました。私の役割は、先生方の個性をさらに引き出し、他の先生に広げていくことだと確信しました。 2020年の入試改革に向け、教育改革は待ったなしです。また、地域の生徒数の激減の中での生き残りを賭けて、本校も間違いなく変革していかねばなりません。今までは地域から「応援される学校」でしたが、今後のなるべき姿は「評価される学校」です。これまでも教育の質を高めるために、生徒に主体性をもたせる授業に取り組むなど、現場の先生方の努力で進学実績も上がってきています。スポーツでは評価をいただいてきましたが、これからは勉強でも評価をいただけるよう、併設の東北インターナショナルスクールとの英語の授業連携や、ICTを活用した個別授業の導入などを検討しながら、生徒たちの伸びしろを埋めていきたいと思っています。そのためには、私自身も含め教員が勉強し続けなければなりません。 生徒は教員の数倍の可能性をもっています。生徒たちが社会に出たときに自分だけの武器をもてる人材に育むために、教員と生徒が共に学び続ける学校づくりをしていきたいです。教員が個別にもつ指導力をコースの垣根を越えた共有を目指す生徒も教員も学び続けることで地域から「評価される学校」へ1894年、仙台数学院として創立。スポーツ教育に力を入れ、多数の甲子園出場経験をもつ硬式野球部のみならず、ほとんどの運動部がインターハイ上位選手を輩出。オリンピックのメダリストやプロの選手として活躍する卒業生も多い。近年は国公立大学や私立難関大学への合格者が急増し、進学実績の伸長で注目されている。東北高校(宮城・私立)372018 FEB. Vol.421

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