キャリアガイダンスVol.421
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北ほうじょう条高校 (兵庫・県立)校長北川真一郎先生(前列左)教頭小倉裕史先生(前列右)進路指導部長赤沼さとみ先生(後列右)人間創造コース委員長 衣川顕子先生(後列左) 兵庫県加西市の県立北条高校は市内の中学生が当然のように入学してくる、大規模な伝統校であった。「私もここの卒業生。他にも保護者や先生方に・OGが大勢います」と北川真一郎校長。自主自立を重んじる伝統校らしい校風のなかで、生徒を大らかに教育。ピーク時は1学年11クラス、その後も8クラスが長く続いたこともあり、「特別なことをしなくても生徒は入学してきました。しかし、指導のきめ細やかさに欠けていたのでしょう。少しずつ進学実績が落ち学力上位層は市外へ流出。過疎化や少子化も手伝って生徒が減り、地元の信頼を失っていったのです」 入学してくるのは、進学も行けるところに行くという、おっとりとした成績中間層の生徒が多くなった。「生徒たちには本当はもっと伸びしろがあるのかも」「このままでは学校の存続が危ぶまれる」…1学年4クラスにまで減ったとき、改革に向けてまず動いたのは前校長だった。 例えば、生徒には体験が必要と、地域に出向きボランティアをさせてほしいと依頼。地域と学校がつながることで危機感も共有でき、さまざまな協力を得られるようになった。また、朝の小テストを皮切りに英語学習を徹底的にテコ入れ。偏差値が上昇し自信をもつ生徒が増えた。そして2016年、人間創造コースを創設。「体験を重視する」という特色を市内の中学校にアピールし同コースの倍率は1・5倍に。自ら動く前校長の背中を見て、他の先生も動き始めた。 「生徒一人ひとりを手厚く応援する。そして、すべての教育に全教員が関わるということを大切にしています」と小倉裕史教頭。1学年4クラスという規模がそのことを可能にし、結果的に生徒数の減少を逆手にとった形となった。 過疎化、少子化などの影響で生徒数の減少に頭を悩ませている高校は少なくない。さまざまな生徒を受け入れてきた大規模伝統校ならなおさら、その大らかさ故に進学一辺倒の他校と比較され敬遠されることもある。 ピーク時には1学年11クラスあったという兵庫県立北条高校も近年クラス数が減り続け、ついには4クラスとなった。3クラスになると小規模校として統廃合の可能性も出てくるため、なんとか踏み留まりたいと、改革に乗り出した。 そして今、学校が活気づき入学者数も安定してきた。改革のポイントとなったのは1学年4クラスという〝ほどよいサイズ感〞。マンモス校時代と同じやり方を捨て、地元の生徒一人ひとりを、全教員と地域の大人で協力しあって手厚く育成する取り組みを紹介する。進路指導実践を磨く!1学年3クラスにしたくない生徒数減少を食い止めるには地域の力も借りながら体験と学力向上に注力1923年創立/普通科/生徒数474人(男子218人・女子256人)/進路状況(2017年3月実績)大学進学96人、短大進学6人、専各進学29人、就職6人、その他10人● 過疎化や少子化による生徒数の減少● 学力上位層の市外への流出● 生徒は真面目だが、もっと学力を向上させたいという積極性に乏しい● 普通科の中堅校で特色を打ち出しにくい背景● 地域と連携し体験活動を増やす● 人間創造コースを新設● 小テストや課題で英語の学力をアップ● 外部の力を借りて学力アップ実践内容課題の整理伝統校の輝きを取り戻し生徒の進路実現を図りたい!1学年4クラス規模に適した手厚い進路指導と学習支援伝統的なマンモス校が、過疎化も手伝って生徒数激減。危機感を感じた先生方が、体験重視や学力向上による魅力的な進路指導を始めています。取材・文/永井ミカ392018 FEB. Vol.421

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