キャリアガイダンスVol.421
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「全員の先生が指導すると、生徒が『先生がみてくれている』という安心感から落ち着いてきます。進路指導においてその効果がとても大きいんです」 前校長が学校改革に乗り出そうとしていたとき、北条高校に赴任してきた衣川先生は英語の小テストの改善を提案した。「できることはなんでもやってみる」という前校長に後押しされ、まずは英語の小テストを月曜から金曜まで毎朝(現在は英語4日、国語等1日)実施することに。そして、それまでの選択式から記述式に切り替えた。10点満点中7点で合格。不よる受験生向け講座と、大学院生による基礎講座を開き、希望する生徒が有料で受講している。主催は市やPTA、同窓生などで組織している北条高校活性化協議会。学校とは別団体として、ゼミ生の募集、テキストの販売などまで引き受けてくれている。市内唯一の普通科高校を存続させ盛り上げたいと市役所内に事務局を置いた組織で、多方面から北条高校を支援している。 そのほか、教育委員会から「ひょうご学力向上サポート事業」の指定を受け、アクティブ・ラーニング授業による学力向上にも教員全員で取り組んでいる。また、土曜日は同校の教員による3年生の希望者への補習も実施するなど学力向上に力を入れている。 16年度より募集を開始した「人間創造コース」は探究活動や体験学習に重きを置いたコース。AO・推薦入試の増加や今後の大学入試改革を見据えての設置だ。地域のさまざまな課題をテーマにした探究活動や、最先端研究・技術体験、大学や企業訪問などを行う。本来は生徒全員参加が理想だが、まずはコースの生徒を先行させ、学習によっては普通科の希望者も参加できる仕組みにしている。 体験を重視する考えは学校改革が始まったとき、前校長がもっとも大切にした部分だ。地域に出向いて生徒にボランティアをさせてほしいと依頼。その活動が広がり、現在では1年間に延べ1600人以上の生徒が何らかのボランティアに携わる。 「これまで勉強という物差しでしか生徒を測ってこなかったことは私たちの反省点です。勉強ができる生徒、勉強は苦手だけれどそれ以外にいいところがある生徒、どちらの生徒の進路も大切に考えたい。生徒にはいつも『なぜ国立大学が推薦入試をするのか考えてみて』と話しています。いつも人が出入りし忙しい学校ですが、生徒にとっては、合格不合格以上にたくさんの人と接し指導していただいている過程が大事だったりします。生徒が自分自身の成長に気づける学校でありたいと思います」(赤沼先生)合格なら間違えた箇所を練習して再提出。これを機に同校では英検指導や英作文指導に力を入れ始め、日々の課題も細かく出すようにした。そして、英語の偏差値が全体的にアップ。「英語に強い北条高校」というイメージもつきはじめた。「とにかくクイックレスポンス。小テストも課題も英作文も、すぐにチェックしてすぐに生徒に戻して間違えたところを見直させます。1学年160人ならなんとかそれが可能です」と衣川先生は言う。ちなみに朝の小テストで満点を10回とると、パワーアップ賞としてPTAから学食の食券が提供される。 そして、15年度から新たに始めたのがアフタースクールゼミ。放課後、学習塾講師に進路指導実践を磨く! 普通科編学校内活動地域連携活動進路(図2 参照)インターンシップキャリアガイダンス学習支援英語POWER UP学習個別指導「パワーアップサポート」※土曜学習サポート夏期補習、冬期補習、春期補習受験対策用授業動画配信サービス「アフタースクールゼミ」河合塾:受験指導講座兵庫教育大学:基礎講座体験活動探究活動※最先端科学技術研修(JAXAほか)※国際交流(オーストラリア、タイ)※小学校絵本読み聞かせ理科実験教室野外活動ボランティア地域ふれあい公開講座図3 主な学校内活動と地域連携活動■ アフタースクールゼミAO、新入試を見据えて体験活動を重視今後の展望英語力をパワーアップし学習塾や大学院生とも連携学習支援※主に人間創造コース対象上/大手予備校講師による、国公立大学・難関私立大学向け講座。数学と英語各週1回。生徒が支払う受講料は1講座1000円。右/教科書レベルから受験の基礎までの内容を学習する寺子屋式の講座。兵庫教育大学の主に大学院生が講師。数学、英語、理科で各週1回、1講座500円。上/人間創造コースによるJAXA見学。右/地域の人や子どもたち向けの講座で講師として活躍する生徒たち。ボランティア活動の一環だが、自主的に継続して関わる生徒も少なくない。412018 FEB. Vol.421

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