キャリアガイダンスVol.421
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442018 FEB. Vol.421 このようなケースで最悪なのは、「何をやってたんだ」と責めたり、「投げやりにならずがんばれ」と耐えることだけを迫ることです。本人はまだ人生に迷っている時期で、自分の生き方を探しているのだと、先生自身が心の余裕をもって対応してあげてほしいと思います。 悩んでいるのは、将来に向かって前向きな証拠です。単に志望校のことだけではなく、キャリアのことも含め、パパッと目先のことで決めてしまうのではなく、真剣に理解していく支援をしてあげてほしいと思います。 人のことを気にしているようですが、それはあくまでも参考で、将来は自分のものであること、そのためにしっかり考える時間的余裕をもつことが大事だと伝え、先生は伴走者として見守ってあげてほしいと思います。人生や生き方を共に探ることが大切です。 とはいえ、あまりのんびりしすぎるのもまずいのは確かです。すみやかに援助するために、まず「悩んでいるんだね。でも解決していきたいと思っているんだね」と理解を示し、「そのためには、先生がしっかり支援していくよ」と語り、援助関係を築くことが大切です。そうすると、良い援助につながっていくのではないでしょうか。教育カウンセリング心理学の専門家の視点から、ケース対応の極意をアドバイスいただきました。会津大学 文化研究センター上級准教授 苅間澤勇人先生かりまざわ・はやと●1986岩手大学工学部卒業後、岩手県公立高校教諭に。早稲田大学大学院教育学研究科後期博士課程単位修得退学。教育学、教育カウンセリング心理学を専門とする。2015年4月より現職。最善と最悪の違いを考え、自分の指導を客観視しましょう1最善と思われる展開 このケースのような生徒は、志望校を決定するための自身の方針が確立していないためだと思います。苦手教科があったとしても、志望校が確立したら、がんばる気力が出てくると思われます。そこで、生徒の志望校決定の基準を確立させるために、以下のような指導を行います。① 友達に影響を受けたとしても、その大学に何らかの魅力を感じていたことがあることを思い出させる。② その大学の資料・パンフレットを取り寄せさせて、一緒にその大学に惹かれた点を話し合う。③ 友人がその大学を志望校にした理由を考えさせてみる。④ 惹かれた点が見つかったら、その点を基準として、志望校検索を行わせる。2最悪だと思う展開 とりあえず、その大学を志望させることと、苦手教科のない志望校を考えさせることです。3❶と❷の大きな違い 目標(志望校の基準)を明確にすることと、志望校決定から逃げさせないことです。1最善と思われる展開 理系・文系で違和感があるようなら、「外国では日本みたいな分け方はしない。大学で学んでから医者の道を選ぶか、弁護士か、それとも学者かなどを考えることの方が普通とも言える」と伝えて、だから、「学校がきれいだとか、かわいい女の子が多いとか、家から近いとかでもいいので、とにかく自分の眼で見て、がんばってみようという気になる大学を探してごらん」というのが正解に近いかなと思います。2最悪だと思う展開 無理やり説得して、どこかの大学・学部を勧めて受験させることでしょう。3❶と❷の大きな違い このようなケースはすごく難しいと思います。私ならこうする!こうした!志望校調査で何も書いてこなかった2年生の生徒。それぞれの先生が、どのような対応を考えられるかお伺いしました。志望校決定の基準を再度探索福岡県・北九州市立高校 南正起先生自分で決める!の後押しを大阪府・匿名希望先生

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