キャリアガイダンスVol.421
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渡邊明男佐野日本大学高校 校長まとめ/堀水潤一 撮影/大和田義郎1964年創立。校訓は「自主創造」「文武両道」「師弟同行」。特別進学コース(αクラス、SSクラス含む)、スーパー進学コース、進学コース。2006年スーパーサイエンスハイスクール(SSH)認定。ICT教育の先進校としても知られる。硬式野球部、サッカー部、陸上競技部、剣道部、デジタル放映部など多くの部が全国大会レベル。同一敷地内に系列校の佐野日本大学中等教育学校がある。佐野日本大学高校(栃木・私立)わたなべ・あきお1959年生まれ。87年筑波大学人間学類(心理学専攻)卒業。90年佐野日本大学高校に社会科(地歴・公民科)教諭として着任。そこに至るまでの自身の進路変更や社会経験、研究など紆余曲折の体験が進路指導、キャリア教育に活かされることに。担任、学年主任、一貫コース部長を経て、2000年佐野日本大学中学校(当時)学年部長に。主事、副教頭を経て、10年に開設された佐野日本大学中等教育学校教頭に。校長代理、校長を経て、17年より佐野日本大学高校校長に就任。グローバル教育やICT教育に注力。14年まで古武術研究同好会の顧問。 私たちが育てたいのは、自分で考え、判断し、行動できる人材。「何でも見てやろう」「まずはやってやろう」というチャレンジ精神や情熱をもった人間です。「文武両道」「師弟同行」と並び、本校が校訓として掲げている「自主創造」は、それを端的に示した言葉。その涵養のためには若いうちから多様な経験を積むことです。困難にも遭遇しますが、人に支えられ、助けられながら一つひとつ乗り越えていく。そうした過程で、心の中に熱いものが生じるのでしょう。 本校が、系列校である佐野日本大学中等教育学校とともにグローバル教育に力を入れてきたのもそのためです。特に中等教育学校の校長代理になってからは、理事会の理解や英語科の先生方の協力の下、世界各地に姉妹校を増やし、多彩な語学プログラムを展開しました。その手応えをベースに、本校校長に就任した今年度は、英国の名門キングエドワード6世校や、SSH等で交流のあった米国グレシャム校と姉妹校提携を正式に調印。少しでも刺激を受けてもらいたく、最難関大学合格を目指す一部のクラスにも米国東海岸の研修プログラムを導入しました。 教育環境の高度化のためICT環境も整えています。生徒全員がタブレットなどの端末を所持し、キャンパスのデジタル化を進めているところ。これらを使った能動的な学びもまた、「自主創造」の精神の涵養につながるはずです。 担任時代、「勉強しろと言わずに生徒が勉強するにはどうすればいいか」を常に考えていました。人間、やれと言われても動かないけれど、やると決めたときの力の大きさは計り知れません。こうした思いは今、職員室の先生方に向けられています。指示に対して実直といわれる県民性は、管理職としてはやりやすいのですが、それだけでは十分な力は発揮できません。そのため校長就任時、敢えて細かい指示は出しませんでした。自発的な提案を期待したからです。 幸い、小さな会議や部活動の試合にも積極的に顔を出し、昼夜を問わずコミュニケーションを重ねた結果、少しずつ良好な人間関係が生まれ、「この校長になら提案できる」という風通しの良さも形成されてきたように感じます。仮に効果がなさそうな提案であっても、頭ごなしに否定をすることはありません。失敗したらやり直せばいいだけ。普段、生徒に伝えていることと同じです。結局のところ大事なのは情熱。情熱をもつ人の周りには人が集まり、その熱は波及していきます。生徒が情熱をもつために、まず教員がもつ。そのためには私自身、挑戦し続ける姿を見せなければ、と考えています。 私が担任をしていた期間は短く、もち上がりできちんと送り出した卒業生はそう多くはありません。けれど、校長室には大勢の卒業生が訪ねてくれます。皆、それぞれの分野で活躍し、自分の道を切り開いていることが誇りです。先進的なグローバル教育とICTで自主創造の精神を涵養失敗してもやり直せばいい熱意が伝播することを期待する情熱をもって未知に挑戦する「自主創造」の精神をグローバル教育等を通じて育てる472018 FEB. Vol.421

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