キャリアガイダンスVol.421
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私には幼いころから「35歳までに何らかの経営に携わる」という漠然とした目標がありました。実際、30代半ばで勤務先の高校を辞め、ピアノの調律師を養成する学校を作りました。その後、中国遼寧省にある音楽学校との交流が縁で、関西語言学院という日本語学校を京都に設立。そこで「日中友好に貢献できる人材を育てたい」という気持ちを強くし、優秀な中国人留学生の受け入れのため、遼寧省の瀋陽に中高一貫の外国語学校を設立しました。その結果、関西語言学院からは毎年、多くの難関国立大学の合格者が生まれるようになりました。学校法人育英館ではこのほか、高知県の医療専門学校の事なら存分にやってほしい」と言い続け、意見が否定されないことがわかるや、現場には活力がみなぎってきました。 学校運営には二つの責任が伴います。教職員の生活の保障と、学生の利益の確保です。前者に責任をもつのは私ですが、後者に責任があるのは教員です。私どもの学校にはいませんが、若者の将来に大きな影響を与えるという自覚や責任感がないのであれば、教員になるべきではありません。 これまで、学生・生徒一人ひとりを重視した教育を実践してきましたから、今後の大学経営も適正規模で行います。社会に貢献できる分野に絞り込み、中身の濃い授業を展開していくつもりです。なかでも、これまでの経験を踏まえ、国際教育に力を注いでいきます。現在、ミャンマー、カンボジア、ベトナムに中等・高等教育機関を作る計画を進めていますが、そこからも有為な留学生が来てくれるようになるでしょう。理想は、今のアメリカのように、世界中から優れた人材が集まる国になること。資源もなく、人口減少傾向にある日本だからこそ、外国人の力を借りながら共に社会をより良いものにしていく。それが世界、少なくともアジア全体の発展につながるはずだと信じてやみません。【理事長プロフィール】まつお・ひでたか●1948年生まれ。京都産業大学大学院法学研究科修士課程修了。高校教員として勤務した後、京都ピアノ技術学院(現 京都ピアノ技術専門学校)を設立。以降、学校法人育英館理事長、学校法人京都育英館理事長として専門学校、日本語学校、高校、大学等を設立、運営。公益財団法人国際医学教育財団理事長。【学校法人プロフィール】学校法人育英館として、京都ピアノ技術専門学校、関西語言学院、四万十看護学院、東北育才外国語学校(中国遼寧省)を運営。学校法人京都育英館として、京都看護大学、北海道栄高校を運営するほか、大学設置法人変更の申請が承認され2018年4月より苫小牧駒澤大学の経営を引き継ぐ予定。教職員の生活と学生の利益。二つの責任を果たしながら、国際社会に貢献する人材を育成業を承継。四万十看護学院として再スタートさせています。 こうした実績が認められ、2014年には京都市立看護短期大学を引き継ぐ形で京都看護大学を設立。16年には北海道栄高校の運営を任され、18年には苫小牧駒澤大学の運営を引き継ぐことも決まっています。 幸い、すべての学校経営は順調に進んでいます。よく秘訣を聞かれますが、人の心を動かす以外に道はありません。どの現場の先生にも情熱はあります。ただ、経営環境が悪化すると、新しいことをしようとしても否定されることが多いのでしょう。沈滞したムードもありました。そうしたなか、「責任は私がもつので、信念があるの̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/有本ラビト学校法人育英館学校法人京都育英館理事長松尾英孝632018 FEB. Vol.421

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