キャリアガイダンスVol.421
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 千葉聖心高校を運営する学校法人増田学園は千葉女子専門学校(保育科)も有している。そのため、この女子校に入学する生徒のおよそ4割が幼児教育希望だ。「しかし、なんとなく保育士にという生徒も少なくないのです」と言うのは山岸信和校長。真面目な生徒が多いが、それが長所であると同時に、おとなしく自己表現も控えめという課題も抱える。「もっと自分のことを真剣に考え自己表現してほしい。人生のさまざまな場面で生き方を考える力をつけてほしい。そう思ってキャリアデザイン教育に力を入れてきました」 「ベテラン教員の経験値に頼るだけでなく、学校として共通のプログラムが必要と考え、若手の先生の意見を取り入れながら3年間を見通したキャリア教育の流れを作りました」と岡村康弘教頭。昨年まで進路指導部長だった藤田尚史先生は「これで完成ではなく、今後も手を加える必要があります。生徒一人ひとりに寄り添えるキャリア教育とは何かを追求し続けたい」と語る。また、教務部長の平塚雅一先生は「形骸化しないことが大切。なんのためのキャリア教育なのかを常に考え学力向上と同時に進めていかないと」と言う。多くの先生の思いがつまった同校のキャリア教育プログラムは、常に見直され変化し続けている。 2017年度に大きく変わったのは1学年の部分。これまでインターンシップや修学旅行などの体験学習を主に2学年に行っていたが、その前にもっと自己をしっかり見つめ、世の中に多くの選択肢があることを知ってもらう必要があると感じたからだという。 キャリア教育のスタートは「スタディサプリ適性診断」。この結果で生徒は初めての職業名や学問名に触れ、広い世界があることを知る。その後、50人の職業人インタビューの載る『未来事典』で世界観を広げる。興味がある学問や職業については『文理・科目選択にも使える!仕事・学問BOOK』で詳しく調べることもできる。 「スタディサプリの進路支援サービスは単発ではなく流れがあるので、少しずつ興味関心を広げながら2年生の体験へつなげていけると感じています。なかなか自分からは行動を起こせない生徒の視野を広げるということでとても役立っています」と進路指導部長の髙木亜生先生。付属のワークシートなど使い進路実現に向けての達成感も感じてもらいながら、同校では発表の機会もできるだけ多く設けている。「自己表現が苦手な生徒が『認めてもらえる』と感じられるプログラムを続けていきたい」と髙木先生は言う。 「未来に向かって実際に動ける生徒を育てたい。生徒がどんな進路選択をしても全力で応援する学校でありたいと考えています」(山岸校長)。将来の選択肢の多さや自己表現の大切さを生徒たちに伝えたい継続的に生き方を考えられる生徒を育てたい本当にやりたいことは何かを問うプログラム千葉聖心高校(千葉・私立)課題1学年からの学問や職業についての学習で2学年の体験を充実させる活用 キャリア教育  年間計画  職業調べ  学問調べ【活用キーワード】取材・文/永井ミカ1979年創立/普通科/生徒数372人(女子のみ)/進路状況(2017年3月実績)大学進学24人、短大進学12人専門進学47人、就職30人目標は自己理解。適性検査の結果を基に職業や学問を探究し、自分を理解し、将来の夢を語ることができるようにする。1学期適性検査/英検講座/コミュニケーション講座/「保育士とは」の講座/職業を知るガイダンス2学期進路アンケート調査/マネープラン講座/介護講座/分野別職業ガイダンス/新聞活用 時事問題対策/進路説明会・コース説明会(保護者と生徒対象)/インターンシップ報告会(先輩の報告を聞く)3学期希望職業に関連する時事問題の探求/模擬選挙/進学就職体験及び状況報告会(先輩の体験談を視聴する)/学部学科追求ガイダンス/「学習と進路の手引き」のまとめ1学期職業観と人生観(講話)/英検講座/就学体験/進路アンケート調査/千葉女子専門学校保育科説明会/校外大規模大学ガイダンス参加/夏季休業中全員オープンキャンパス参加2学期進路アンケート/インターンシップ実施/進路説明会/インターンシップ報告会3学期進学・就職ガイダンス/進路アンケート調査/進学就職体験及び状況報告会(先輩の体験談を視聴する)/進路説明会(保護者と生徒対象)/「学習と進路の手引き」のまとめ1学期小論文・作文対策/就職学習会/三者面談/進路アンケート/保育実習(保育コースのみ)/求人票の見方/就職ガイダンス2学期推薦受験校・就職試験企業の決定と書類の提出/面接対策/卒業論文制作3学期センター試験・一般入試開始/卒業論文発表会/「学習と進路の手引き」のまとめ●1学年 自己を知り夢を見つける目標は社会理解。社会で生きていくとはどういうことなのか。さまざまな職に就いている人から情報を得る。インターンシップで社会経験をする。また修学旅行を機に自国を研究し知る。●2学年 社会を知り夢を検討する目標は進路実現。これまでのさまざまな経験を基に自分の適性を考えて進路決定する。努力した結果を出せるようにする。●3学年 夢を実現する3年間を通したキャリアデザイン教育リクルートサービスを活用した実践事例【進路】校長山岸信和先生(前列左)教頭岡村康弘先生(前列右)教務部部長平塚雅一先生(後列左)進路指導部副部長藤田尚史先生(後列中)進路指導部長髙木亜生先生(後列右)642018 FEB. Vol.421

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