キャリアガイダンスVol.421 別冊
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2Vol.421 別冊付録「与えられた問い」ではなく「自ら問いを立てる」のが探究活動 全国の高校で探究活動の導入が進んでいる。その理由は、学力の三要素が「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・協働性・多様性」として定義し直され、それに連動して探究活動の導入が求められるようになったからだ。 「習得・活用・探究」の三段階の学習が提示されているが、習得や活用では生徒は「与えられた問いを解く」のに対して、探究の特質は生徒自身が「問いを立てる」ということにある。 探究活動とは図1のように、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」をスパイラルに繰り返しながら、そのレベルを向上させていく学びである。 しかし、探究活動に取り組む多くの高校が壁にぶつかっている。それはまず最初の課題の設定=生徒が自ら問いを立てる、というところで躓いてしまっているからだ。 生徒が自ら問いを立てる。 こう書くのは簡単だが、実際に行うのはそれほど簡単ではない。教えられたことに忠実に従って、与えられた問いを解くのとは別の「何か」が必要だからである。 その「何か」とは、問題意識とも言い換えられる。問題意識をもっていなければ何を見ても疑問を感じない。そして問題意識をもつということは、主体的であることと表裏一体でもある。 現在、文部科学省ではアクティブ・ラーニングと同義のものとして「主体的・対話的で深い学び」という言葉が用いられている。この場合の「主体的学び」とは「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連づけながら、見通しを持って粘り強く取組み、自らの学習活動を振り返って次につなげる」と説明されている。しかしこの主体的(主体性)は、ある意味では日本的な独自の概念とも言われ、心理学などではagency=行為主体性がそれに当たるという説もあるが、万人が認める英単語はないとされる。共通了解としては、「指示を待つのではなく、自らやるべきことを見つけて積極的に取り組む力」、つまり課題を誰かから与えられて初めて動き出すのではなく、課題を発見して自ら解決に動き出す能力のことだといえるだろう。 とすると、生徒たちが主体的であるということは、生徒たちがそのことに取り組む内発的な動機をもつとい進路指導に役立つ最新情報取材・文/教育ジャーナリスト 友野伸一郎多くの高校で探究活動が始まっている。しかし、それらの高校すべてでうまくいっているわけではない。一番の壁となっているのは、「生徒が自ら問いを立てる」ことだ。この壁を乗り越えなければ、探究活動も単なる「調べ学習」に終わりかねない。問いを立てるには何が必要なのか、どんな力を育成すべきなのか、先進的な事例を紹介しつつ考えていきたい。探究活動において生徒が「自ら問いを立てる」には主体性と問題意識の育成が欠かせない。生徒の内発的動機をどう引き出せるのか?出典:文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総合的な学習の時間』図1 探究的な学習における生徒の学習の姿■ 探究の過程を経由する。①課題の設定 ②情報の収集③整理・分析 ④まとめ・表現■ 自らの考えや課題が新たに更新され、探究の過程が繰り返される。■ 日常生活や社会に目を向け、生徒が自ら課題を設定する。情報の収集整理・分析まとめ・表現課題の設定

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