キャリアガイダンスVol.421 別冊
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5Vol.421 別冊付録高大接続部門での取り組みとしても位置付けられている。問題意識がなければ「問い」は生まれてこない どのようなプログラムなのかを紹介しよう。 「自分で問いを立てられない、というのは高校生に限ったことではありません。大学のゼミで学生が何かテーマを設定し、調査研究を行う際には、『自ら問いを立てる』ことが必要になりますが、学生から『この問いで合っていますか?』とか『これでいいですか?』と言われて驚くこともあります。『このテーマならどのような切り口から研究を進められますか?』とか「この研究を進めるにはどのような調査を組み立てればよいですか?』という質問ならいくらでもアドバイスできますが、残念ながら『この問いでいいかどう大学でのPBLの経験から生まれた主体的学習者育成プログラム 産業能率大学は、2006年に始まり2017年度で11回目を迎えた「キャリア教育推進フォーラム」や「アクティブフォーラム」、1996年に始まり既に20回を数える「授業力向上セミナー」など、高校の先生方を対象とした教育改善支援に力を入れている。その産業能率大学が、今、新たに力を入れているのが、「主体的学習者育成プログラム」の開発と普及である。 このプログラム開発の契機となったのは、同大学が続けている高校への教育支援のなかで、探究学習を始めた多くの高校が「生徒が自ら問いを立てる」ところで躓いていることに気づいた点にある。同大学では、自大学の教育においても多様なPBL授業を取り入れ、「学生が自ら問いを立てる」教育を実践していることで知られるが、それを踏まえて高校における探究学習に最適化されたプログラムとして開発したというわけである。 しかも同大学は文科省の大学教育再生加速プログラム(AP)に採択されているため、このプログラム開発は、そのか?』は、私には答えられません」 こう語るのは、本プログラム開発者の同大学経営学部の齊藤弘通准教授だ。 「彼らは『君は何を問いたいの?』という質問に明確に答えられないのです。なぜなら強い問題意識を持っていないからです」 だから、主体的な学習者とは「自ら考えて行動できる人」と定義し、本プログラムの開発はスタートしている。プログラムは100分の授業2回で構成され、1回目は問題発見編、2回目が問題解決編である。ここでは、問題発見編を中心に詳しく紹介していきたい。 日本では、多くの若者は物質的には産業能率大学取材・文/教育ジャーナリスト 友野伸一郎高校教員向けのさまざまな教育改善支援で知られる産業能率大学が、今、新たに開発し普及に取り組んでいるのが「主体的学習者育成プログラム」だ。目的は、高校の探究学習において「壁」となっている「生徒自ら問いを立てる」を可能にすること。そのプログラムの内容と成果とは一体どのようなものなのだろうか。フォーラムでの「主体的学習者育成プラグラム」実施風景図1 主体的学習者育成プログラムの狙い観察する問題意識をもつ解釈する発想する観察によって得られた気づきを多様な視点から解釈できるようになる狙い ❷問題意識を持って世の中の事象を観察することができるようになる狙い ❶解釈を踏まえて問題解決のアイデアを発想できるようになる狙い ❸

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