キャリアガイダンスVol.422
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部」から名称変更した「キャリアデザイン部」が中心となって進めている。その代表例が、「産社」に組み込んだ、外部団体との連携による全8時間のプログラム「ドリームプラン・プレゼンテーション」だ。各クラス2人の社会人の支援を受けながら、生徒一人ひとりが25歳のありたい自分の姿を思い描き、それに向けてどうしていくかを2分間で発表する。 「社会で働く方たちの多様な価値観にふれることが生徒には大きな刺激となり、ボランティア活動を始めたり、進路に向けて計画的に行動するようになった生徒もいます」(キャリアデザイン部主任・小野﨑尊和先生) 組織面の課題に対しても、さまざまな対策を講じてきた。人事面では原則6年での異動を徹底し、校務分掌も3年で変更するルールに。特定の個人の力に頼るのではなく、組織力が発揮される体制づくりを推進している。 教員研修は年3回、全員参加で実施。高大接続改革や次期学習指導要領改定について学び、意識改革や授業力向上に全校で取り組んでいる。 また、生徒、保護者、教員、地域を対象として毎年実施している学校評価では、アンケート設計を工夫した。アンケートの各設問の選択肢を4段階から「どちらともいえない」を加えた5段階に変更したことで、プラス評価とマイナス評価の意思表示を明確化。さらに、各調査対象の設問数を20問にすることで、それぞれの最大ポイント値が100になるようにした(各問最大5ポイント×20問)。それらの工夫によって課題のある箇所がわかりやすくなり、原因の究明と対策に向けた動きがスムーズになったという。 一方で、教職員の負担が大きくならないようにも配慮。学校行事はゼロベースで必要性を議論して選択と集中を図り、課外補習に代わるオンライン教選択と集中で組織力の向上を図る材の導入や、部活動休養日の見直しなどにも取り組んできた。 こうした学校改革に対し、当初、校内には「今の体制を変える必要があるのか」と反発する声もあったという。しかし、キャッチコピーや学校経営戦略シートなどで方向性を共有し、授業改善やキャリア教育の充実などに取り組むなか、次第に前向きなムードに変わってきた。 「学校改革には相当なエネルギーが求められます。しかし、やっていることに間違いがないと思えれば、辛いとは感じません。むしろ、思い切って挑戦する機会を得たことに、やりがいを感じている先生方も多いのではないでしょうか」(小野﨑先生) 3年前から「25歳の自分創り」を掲げてきたが、櫛野校長はそうしたキャリア教育のあり方を再び見直していく必要も感じているという。 「ますます予測不能な社会になっていくなか、これからは将来像から落とし込むのではなく、下から積み上げていくキャリア教育の重要性が増していくでしょう。それにどう対応していくか。学校現場は常に数年先を見通して、変化させていかなくてはならないと考えています」(櫛野校長)図2 東久留米総合高校が目指すキャリア教育の概要「産社」で実施される「ドリームプラン・プレゼンテーション」では、社会人のファシリテーションにより、生徒一人ひとりが「25歳の自分創り」について発表。生徒には「自分の良さを知ることができた」など好評。【キャリア教育のコンセプト】 「25歳の自分創り」【キャリアデザイン部の取り組み】 基礎的・汎用能力や社会人基礎力を育み、25歳になったときに社会の中で輝くため、以下の2点を中心に取り組んでいる。  原動力となる基礎学力(単なる知識の記憶力を伴うものではない学力)を身につけさせる。 *読解力、ITスキル、情報分析・活用・編集力等  10年後を見据えた自己の生き方・あり方を時間をかけて考えさせる。1225歳の自分創り3年間を見通したキャリア教育それぞれの夢の実現へ卒業後高校生活の3年間3年「課題研究」(総合的な学習の時間/2単位)2年「人間と社会」*(総合的な学習の時間/1単位)1年「産業社会と人間」(2単位)「25歳の自分創り」の中間地点として、高校生活3年間を総括して、これからの自分のキャリアについて考える → 研究レポートへのまとめ、研究発表会開催●職業人インタビュー●看護体験、保育実習、オープンキャンパス●社会人講話、「留学生が先生」●模擬投票(主権者教育)●3学期~「課題研究」*東京都が開発した人間としてのあり方生き方に関する教科●構成的グループ・エンカウンター●KJ法を活用した職業理解●マインドマップを活用した自己理解●「ドリームプラン・プレゼンテーション」●1年間を振り返っての漢字1文字スピーチ  他校長(取材時)櫛野治和先生キャリアデザイン部長谷川 裕先生キャリアデザイン部主任(取材時)小野﨑尊和先生常に時代の先を見通して学校現場を変化させていく個人として、組織として 学校改革にどう取り組む?東久留米総合高校 (東京・都立)242018 MAY Vol.422

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