キャリアガイダンスVol.422
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ば説得力をもちません。すぐに成果は出ませんが、例えば模試の成績などの従来的学力に加え、図書室の貸し出し数などの数値的な成果を示すこともあります。中居先生:本校は風土としてチーム力がある学校なので、積極的に賛同していない先生でも、「やるべきこと」と理解してやってくれます。消極的でも実行しているうちに生徒の変化に気付いて考え方が変わることもあるようです。また、本当は「授業を変えたい」と思っていても今まで機会がなかった先生方にとっては、授業観察がきっかけになるようです。「授業観察があるからやったことのない方法でやってみようかな」と思ってもらえる先生もいます。滝井先生:授業公開や発表の場は、先生方の考えが変わるきっかけになりますね。本校でも当初、国語科以外の先生が「なぜ私たちの教科についてあなたに助言されなければいけないのか?」と言っていた先生もいました。しかし、7年前から「授業づくりプロジェクトフォーラム」という、外部に向けた年1回の発表の場を設けたことで変わってきました。当初は公開授業担当者が自薦では埋まらず他薦も必要でしたが、校外から参加される先生方の評価を受けられることで、多角的な視点で授業を改善できることに先生たちが気付いてくれました。今では実施のコマが立候補者ですぐ埋まるほど、授業研究の成果発表の場として有効活用してくれています。――学校改革を中心的に行う立場として、大変だったことは?中居先生:大変だと思ったことはないですね。私自身、自分の授業を「このままでいいのか?」とずっと考えていました。生徒にとって「わかりやすい授業」をすると生徒からの評価は高くなります。でも、「わかりやすく説明すると生徒は考えなくなる。生徒の力はついていないのでは?」とずっと思っていたのです。だから「生徒の資質・能力をのばす授業」と言われたときにしっくりきました。 そう考えていた私にとって転機となったのが、『キャリアガイダンス』の402号で「なぜ学ぶのか」という授業の記事を見たことです。進路指導主事当時は結果を求められていましたが、3年生で辻褄を合わせようとしても、学びに向かう姿勢がなければ結果は出ません。1・2年生のうちから「なぜ学ぶのか、学んだことをどうしたいのか」を生徒自身が意識していなければ、3年生で進路を決めるときに勝負ができないと確信しました。だから、生徒が主体的に学びたくなる授業をつくって実施することは、本来当たり前のことで、実践することが楽しいのです。滝井先生:組織として足並みを揃えて改革していくのはやはり大変です。大事なのは、違う意見の人が発言しにくいムードをつくらないことと、個々生徒自身が学びたくなる授業や学校にしたかった。だから改革は楽しく、苦労とは思わない●学習の仕方のストーリー(教科)●特別活動と部活動のストーリー(教科外活動)●総合的な学びのストーリー(総学での探究・主体的な学び)それぞれで育みたい力を明確にし、いつ、どのように行い、どのように評価するかを明文化。※教科の特性等を前提に,次の取り組み(一つ以上)を学期に一回以上実践する◆生徒全員の「深い学び」につながる学習形態を工夫(活用)した教科授業【α】◆ジグソー・KJ法等の学習方法を活用した教科授業【β】◆「ICEの動詞整理表」「ICEの動詞に基づく評価表」を活用した教科授業【γ】※ICE⇒I= Ideas(考え・基礎知識)、C= Connections(つながり・活用)、E= Extensions(応用・ひろがり)◆生徒自身が学んだことを簡潔で構造的に整理できる「振り返り」を活用した教科授業【δ】●進路指導主事時代…「学びと成長のストーリー」作成メンバー●学年主任時代…総学のカリキュラム開発、指導案作成、率先した授業実施●主幹教諭(現在)…学校改革、授業改善のすべてに関わる全教科の定期考査に、思考して判断するような知識の活用問題を取り入れる ⇒活用問題はルーブリックによる評価を導入年2回、教員が相互に授業を観察し合い、授業内容を協議する校内研修を実施 ⇒教科が異なる4人組府中高校の授業改革・学校改革の概要「学びと成長のストーリー」授業改善定期考査問題の水準向上授業観察学校全体の目標共有実施内容中居先生の役割小誌バックナンバーとダウンロード掲載サイト:リクルート進学総研>>キャリアガイダンス302018 MAY Vol.422

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