キャリアガイダンスVol.422
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授業をはじめとする教育活動の改善に役立つツールとして、TPチャートが評判です。編集部では個々の先生方がご自身の活動を振り返り、これからにつなげていくプロセスが、組織全体の改革にも必要と考え、ワークショップを取材、学校改革への道筋を探りました。 TPチャートは、教育活動の俯瞰と振り返りを通して、自身の教育のあり方を改善していくツールだ。 まず作成段階で、普段の活動でどんな「教育方法」をとっているかを書き出し、そこから自分の「方針」を見出し、「理念」を可視化する。 次いでそれを見直し、「理念」「方針」「教育方法」の対応を確認しミスマッチや過不足がないか考え、それぞれの結びつきを自分でより強固にする。 この2段階を通して、自分は教育で何を目指し、そのために何に取り組みたいかを明確にしていくのだ。 もともとこのツールは、ティーチング・ポートフォリオ(TP)という、教育活動とその根拠資料をまとめたファイル(38ページコラム参照)の作成に興味のある人向けに開発されたものだった。東京大学の栗田佳代子先生が、TP作成を簡略的に体験できるツールとして考案、同大の吉田 塁先生と共に、その形式をブラッシュアップさせてきた。 そのTPチャートを、勉強会で体験した高校の先生たちが、単体でも教育改善に効果があると実感し、注目するようになる。都立国立高校の大野智久先生は、いち早くTPチャートを体感し、栗田先生たちと共著で作成方法を紹介する本も出した先生だ。その魅力をこのように語る。 「他人から理念や方法を押し付けられるのではなく、自分の中にあるものを整理することで、やるべきことがはっきりしてきて、身の丈にあった教育改善をしていけるのです」 見込める効果はそれだけではない。 「先生同士でTPチャートをシェアすれば、『この先生はこの理念の基にこういう方法を取っていたのか』とお互いの価値観や実践を理解しやすくなります。教育について話し合うときのコミュニケーションツールとしても機能します」(栗田先生) そうであれば、学校改革の議論をするうえでも有効ではないだろうか。教師のための「なりたい教師」になれる本!作成と見直しの2段階で、自分の想いや実践を整理する学校の先生の実例を交えながら、TPチャートの作成の仕方を紹介。TPチャートを使った研修会・勉強会のやり方も解説されている。栗田佳代子/吉田 塁/大野智久 編著取材・文/松井大助 撮影/西山俊哉方法・方針・理念の可視化で自分は何を目指すかが明確に■ TPチャートとは?作成見直し可視化可視化見直し見直し理念理念方針方針教育方法教育方法352018 MAY Vol.422

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