キャリアガイダンスVol.422
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副校長穴沢 努先生(左)総合学科推進部主任奥田 由美子先生(中左)総合学科推進部(元進路指導部主任)関本謙治先生(中右)進路指導部主任 内山正雄先生(右) 東京都立葛飾総合高校は2007年に東京都東部初の総合学科高校として開校。「生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出し希望進路を実現する」学校を目指してきた。2年次からは国際コミュニケーション、スポーツ福祉、生活アート、サイエンス・テクノロジーの4系列に分かれ、生徒は念入りに作り上げた『自分だけの時間割』に沿って授業を受ける。 キャリア教育は3年間を通して実施。職業人インタビューも企業訪問もすべて自力でアポ取りから始めるため、生徒は徹底的に鍛えられる。3年次には一人ひとりが課題研究を2万字の論文にまとめ、発表して集大成とする。「開校10年でキャリア教育は一応の完成をみたと思います」と穴沢 努副校長。開校当初は生活指導に時間をとられ進路指導がままならないこともあったが、現在では「力がつく学校」「成長できる学校」として地域で認められるようになり、兄弟姉妹の入学者も増えた。 3年間のキャリア教育は「キャリアコアタイム」として実施。これに「学力向上」と「進路指導」を加え、3つの柱としてまとめたものを「キャリアガイダンススパイラル」(P42図1)と呼ぶ。開校以来ほぼ変わらない流れだが、11年目の改革で、この年の3年次生よりスケジュールを全体的に前倒しすることにした。課題研究が推薦・AO入試に効果を発揮することが増え、ワンランク上の学校に合格する生徒も出てきたため、12月にまとめていた課題研究を、3年次の夏にはまとめるようにしたのである。これにより一般受験向けの学習にも余裕ができることになり、ますます進路実現を図る生徒が増える勢いだ。進路指導実践を磨く!主体的に自分で進路を見つける生徒を育てる2007年創立/総合学科/生徒数704人(男子225人・女子479人)/進路状況(2017年3月実績)大学進学118人、短大進学10人、専各進学77人、就職8人、その他12人目指すは「総合的な力」の獲得。専門分野の学びを深め自分を対外的にアピール。学力アップでワンランク上へ開校10年で完成した3年間を通じたキャリア教育。その充実した取り組み内容と次なる課題への挑戦をご紹介します。取材・文/永井ミカ葛飾総合高校 (東京・都立) キャリア教育を軸とした3年間の主体的な学びを通じて、生徒が興味関心の高い分野について専門的な知識を得たり、プレゼン力やコミュニケーション力を高め、推薦入試やAO入試で実績を上げるケースが増えている。 しかし、キャリア教育に力を入れる学校では、基礎学力向上をどのように図っていくかが課題だと語る学校も少なくない。本来なら、キャリア教育で身に付く力と一般的な学力は、両輪として相互に高め合いながら向上していくのが理想だ。しかし、時間的な制約や生徒間の学力差などの要因で、なかなかままならない現状もある。創立11年目の葛飾総合高校は、こういった課題にどう対応しているのだろうか。キャリア教育と基礎学力両輪で力をつけたい● 充実したキャリア教育と基礎学力向上の両立の難しさ● 大学入試の多様化による進路指導の難しさ● 入試改革への対応をどのようにしていくか背景● 課題研究を前倒しして、推薦・AO・一般入試に備える● 希望者による進路実現チームに講習を実施する実践内容課題の整理412018 MAY Vol.422

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