キャリアガイダンスVol.422
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452018 MAY Vol.422馴染めていない様子を指摘&他の生徒に頼むパターンさらに深刻化しそうなケースでのありがち対応1.共感する姿勢2.しっかり話を聴く3.信頼関係を築く4.安易な「頑張れ」  は控える(解説&アドバイス)先入観や既成概念を取り払い、一人ひとりと向き合う(解説&アドバイス)熱意だけではなく、生徒が抱える課題への知識・勉強も必要先生: 入学して1カ月経ったけど、学校には少し慣れてきた?生徒: ・・・はあ、まあ。先生: どうして慣れないんだろうね。 生徒: なんとなく・・・。先生: 最初は、自分からも積極的にどんどん動いてみればいいんだよ。生徒: はあ~、でもなあ・・・。先生: 大丈夫。少しだけ頑張ればいいんだ。な?生徒: はい・・・。※後日、学級委員をしている生徒に、積極的に声をかけてあげてほしいと頼む。先生: 1週間休みが続いて心配になって来てみたんだ。この1週間、どうしていたんだ?生徒: ・・・家にいました。先生: 家で何をしてたんだ?生徒: 本を読んだり、ゲームをしたり、・・・・。先生: 学校を休んだことをどんなふうに思ってる?生徒: ん~・・・。先生: 思っていることを話してみてよ。生徒: ん~・・・。 (少し時間が経って)先生: まだ学校始まったばかりだしさ。勇気出して出て来いよ。みんな待っているぞ。生徒: ・・・・。 ⇒ 例えば、こんなやりとり例で…先生: 最近、少し遅刻が続いていたようで、先生心配していたんだ。生徒: すみません。バスがよく遅れて・・・。先生: ああ、○○を通る道は、朝はよく渋滞しているみたいだな。生徒: はい・・・。少し早めに出ようとは思っているんですけど。先生: うん。もう1本だけでも早いバスに乗れるといいな。生徒: はい。気を付けます。先生: ところで、少し学校には慣れたか? いつも一人でいることが多い ようだったから、その点でも実は先生、少し気になっていたんだ。生徒: ん~、まあ、もともとあまり人と話すのは得意じゃないし・・・。 先生: 得意じゃないけど、嫌いではない?生徒: まあ、そりゃ、好きなことの話ができると楽しいけど。先生:そっか、どんなことが好きなんだ? 「この生徒は、なぜ馴染めていないのか」「遅刻が増え始めているのは、どういう理由があるのか」など、まずはこの生徒ならではの理由や状況を十分に検討することが大切です。ところが、とかく「時期的になかなか馴染めない生徒はいる」という先入観から、話をスタートさせてしまいがち。このケースもそのような思い込みによって、生徒の悩みをしっかり聞かないまま、話を一般化して 単に遅刻が増えるだけでなく休みも続くなど、事態が深刻化しそうな生徒に対して、まずは家庭訪問をする。そういう熱意はとても大切です。しかし、残念ながら、「引きこもり」に対する理解や知識が不足していて、かえって生徒を追い込むケースも少なくありません。引きこもっている生徒に、「休んでいることをどう思っているか」などと聞いても、回答はほとんど返ってきません。嫌なしまいました。しかも、クラスの他の生徒に、関わってあげるように頼んでしまった。これをすると、頼まれた生徒に大きな負担がかかり、後々、学級委員のなり手がいなくなるなど、クラス運営全体への悪影響が懸念されます。まずは、先生自身がしっかり目の前の生徒一人ひとりの事情を聴き、向き合うことを大事にしてください。感情を想起するので行き詰まり状態になるからです。また、そういうタイプの生徒は、他者と積極的に関わるスキルを身に付けていないことが多いので、「みんなが待っているよ」という声かけは、かえってプレッシャーになることがあります。だから熱意だけでの指導では不十分で、生徒理解と対応に関する研修が必要なのです。ありがちなやりとり2学校に馴染めない生徒への対応のポイント▼詳しい解説は次ページで※1週間休みが続き、家庭訪問をすることに

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