キャリアガイダンスVol.423
12/66

 小・中学校を中心に、作品や感想文などの成果物を蓄積し、学びのプロセスを振り返ることができるポートフォリオを活用している学校は多いと思います。そうした機能に加え、児童生徒のキャリア形成にも大きく関わり、しかも、学年、さらには小・中・高校と学校段階を越えて持ち上がることまで見越したポートフォリオ的な教材のことを、文部科学省では「キャリア・パスポート(仮称)」と呼び、導入と活用を進めようとしています。※以下(仮称)は略。 今年3月に告示された新高等学校学習指導要領の第5章 特別活動の項目には、「学んだことを振り返りながら、新たな学習や生活への意欲につなげたり、将来の在り方生き方を考えたりする活動を行うこと。その際、生徒が活動を記録し蓄積する教材等を活用すること」という記述がありますが、まさにその教材のことです。普及・定着事業による調査研究などを基に、今年度中に例示が出され、別途、先行実施や移行措置について示される予定です。前述の調査研究のスケジュールにおいては、まず高校で基盤を整えたうえで、小・中学校からうまく持ち上がることが期待されています。 ただ、ポートフォリオという大きな概念はともかく、それに包含される「キャリア・パスポート」について、高校の先生方に十分ご理解いただいているかといえば、そうとは言い難い現状があります。そこで、なぜ必要と考えているのか、新学習指導要領の基となる中央教育審議会(以下中教審)の答申に戻り、学習評価やキャリア教育の点から整理したいと思います。 中教審答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(平成28年12月21日)において、「ポートフォリオ」という用語取材・文/堀水潤一 撮影/西山俊哉平成28年12月の中教審答申において、ポートフォリオ的な教材として明記された「キャリア・パスポート(仮称)」。その狙いとともに、キャリア教育の視点から、学びをつなぐことの意義や教員が対話的に関わることの重要性について、文部科学省で生徒指導調査官などを務める長田 徹氏に伺いました。ポートフォリオと「キャリア・パスポート」学習評価とキャリア教育の視点から見たポートフォリオ文部科学省/国立教育政策研究所長田 徹おさだ・とおる●石巻市立雄勝中学校社会科教諭、仙台市教育委員会指導主事などを経て、2011年5月から文部科学省。現在、初等中等教育局 教育課程課 教科調査官、同児童生徒課 生徒指導調査官。国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター 総括研究官、同教育課程研究センター 教育課程調査官を併任。中央教育審議会答申から改めて読み解く 「キャリア・パスポート」が描く生徒の未来122018 JUL. Vol.423

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る