キャリアガイダンスVol.423
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校長工藤誠一先生教頭安あたか宅克己先生副校長花家 徹先生の質を高めることができました」(安宅克己教頭) 探究学習での手応えをもって、今年度からはスタディサプリのポートフォリオ機能を活用し、学習も含めた、生徒のあらゆる活動を記録していく。その背景には同校の教育方針がある。 同校は近年、「進学校」という枕詞にとらわれない挑戦を重視し、「開かれた学校づくり」や「生徒を学校に縛らない」をキーワードとした学校改革を推進してきた。 例えば、同校には教科の枠にとらわれない学年混合の体験型講座「聖光塾」がある。企業やNPOからの講師によるものも含め、昨年度は「遺伝子組み換え」や「ジョブシャドウイング」など41講座を開催。主に休日や長期休業を利用するが、多くの生徒が興味・関心に応じて自主的に参加している。 また、留学や各種コンテスト参加、震災ボランティアなど、生徒が自ら校外に出て学ぶことを奨励。個人的な活動でも公欠として認める場合が多く、生徒の積極的な活動につながっている。 このように学校の枠組みを超えた主体的な活動の経験を、より効果的に生徒自身のなかに落とし込もうと、eポートフォリオの拡大実施に至ったのだ。 eポートフォリオには、HRの一斉指導のなかで生徒が学校行事後の振り返り内容などを入力するほか、さまざまな自主活動についても各自のスマホやパソコンから随時記録。蓄積された情報を定期的に紐解き、学校生活の見直しや進路選択に活かしていく。 従来より生徒は高校1学年で「自分史」の執筆に取り組み、これまでの各自を振り返り成長の検証を行ってきた。eポートフォリオは、そうした機会を日常的なものにする仕掛けでもある。 「生徒はいつでもどこでも自分に向き合うことができるようになりました。自分で自分を高めていくのに、とても大事なことでしょう」(工藤校長) また、教員は生徒が記録した内容を教員用ページにて確認する。これまで生徒の多彩な自主活動に関する情報については、教員間SNSを通じて随時共有を図ってきた。SNSでは「〇〇くんは1年間でどんな活動をしてきたか」といった個人単位の把握が困難だったが、eポートフォリオなら可能だ。 「こうした機能はずっと必要性を感じていました。成績の面だけでなく、多面的に見て生徒の良いところをすくい取って伸ばすことにつながると考えています」(花家 徹副校長) こうした情報を、教員は日常の声掛けや面談などに活かしていく。 「日々の記録からは、生徒の心の変化や精神的成長も見えてきます。ターニングポイントは人それぞれですが、そのタイミングをしっかりキャッチし、フォローしていきたいですね」(工藤校長) スピード感をもって導入し、まずは自由に使ってみるのが、同校のスタイルだ。実績が少ないと先送りしたり、最初から運用を固めたりはせず、使いながら効果的な活用方法を探っていく。 「使い方は、たいてい最初の想定から変わるもの。いち早く導入し、各教員が個性を発揮しながら使ってみて、変えるべきは変えていけばいいのです。変化に対応していくには、そういう進め方も必要ではないでしょうか」(工藤校長)図2 聖光学院のeポートフォリオ活用イメージ(今後の予定)生徒のさまざまな活動自主的な活動を含めて経験を効果的に成長に活かすリアルタイムに活動を記録いつでも振り返り可能に年度末には約半年間の探究の成果をポスターセッションで発表。テーマは「感情のデータ化」「紙飛行機の飛距離」などさまざま。SSHでの探究学習企業の協力による講座「ホタルの光で世の中をよくしよう」。ホタルの発光の仕組みを学び、その活用方法についてグループで考えた。「聖光塾」熊本地震復興ボランティアに参加した生徒たち。震災の爪痕を見学し、農作業の手伝いも行った。ボランティア活動生徒学校・教員日常的に活動を記録振り返り確認コメント活動報告書作成調査書作成eポートフォリオ個人面談・三者面談大学入試・生徒の状態の見取り・「ターニングポイント」の見極め・SSH探究学習・「聖光塾」・部活動・コンテスト挑戦・自主的な活動生徒の学びを深め、つなぐ ポートフォリオ活用実践事例聖光学院中学校高校(神奈川・私立)172018 JUL. Vol.423

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