キャリアガイダンスVol.423
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 甲府南高校は、2018年度の新入生より、学習や活動の履歴となるポートフォリオを、生徒一人ひとりが3年間かけて作成していく、という取り組みをスタートさせた。 そのポートフォリオの形式は、独自に設計したもの。先生たちが2つの側面から得てきた知見を、うまく組み合わせてまとめたといえる。 具体的には、一つは、2017年4月から始まった「山梨高大接続研究会」で、大学や高校の先生たちと話し合うなかで身に付けた見識。 もう一つは、2004年度にSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けて以来、先生たちが生徒の学びを深めようと試行錯誤して積み上げてきたノウハウだ。 これらの知見をもとにして、甲府南高校はどのようなポートフォリオを設計したのだろう。 山梨高大接続研究会は、山梨大学と山梨県教育委員会が連携して立ち上げた研究会だ。高大接続に関する現状の課題を検討することが目的で、県内の11高校も参加(図1参照)。2017年度4月より、2カ月に1回程度の頻度で集まり、意見交換を重ねてきた。公開制にしたことで、回を重ねるごとに他の大学や高校の出席者も増え、最終的には6大学・28高校が参加したという。 その研究会の主題の一つが、他でもない、ポートフォリオの作成と活用だった。学習や活動の履歴というのは、何をどのように残せばいいのか。それを誰が、何のために、どのように評価するのか。甲府南高校から会に参加した小林真美先生は、高校側の思いをこのように語る。 「入試改革が行われるなかで、例えば『主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度』を、大学はどうやって評価するのか。それに向けて高校ではどんな履歴を残せばいいか。そこを一緒に考えたい、というのはありました。一方で、高校生のさまざまな活動を大学側に知ってほしくもあったんですよ。それを踏まえて評価の仕方を考えてほしい校外と校内の知恵を合わせた学校独自のポートフォリオ何のために何をどう残すか県内の大学や高校が共に検討な、と」 始まった研究会では、参加者同士が事例を出し合ってポートフォリオへの理解を深めていった。山梨大学の藤 修准教授は、高校の先生たちと共有した基本の考えを次のように語る。 「ポートフォリオというのは、言うなれば『成長の記録』なんですね。良いことだけではなく失敗したことも記録する。そうしてピカピカの体験からガラクタのような体験まで蓄積していくと、すべてが成長につながる宝物になるんです。留学や部長経験など目立つ経歴をとにかく並べればいいわけではありません」 例えば、目ぼしい活動は部活動のみ、という生徒がいたとする。けれども、そ図1 山梨高大接続研究会の概要※公開制の研究会で、研究校以外の参加も可。2017年度は県内の28高校・6大学が参加取材・文/松井大助1963年創立/普通科/生徒数820人(男子464人・女子356人)/進路状況(2018年3月実績)大学203人・短大4人・専門学校4人・就職1人・その他63人学校データポートフォリオで生徒の学びをつなぎ高校・大学を通して成長と進路選択を支援甲府南高校(山梨・県立)山梨大学(山梨・国立)【幹事会】議長:山梨大学アドミッションセンター長山梨県教育委員会・高校山梨大学副会長:教育監副アドミッションセンター長高校教育課 指導主事アドミッションオフィサー教育研究会進路指導部会長教学担当理事庶務:アドミッションセンター・入試課都留高校甲陵高校山梨英和高校巨摩高校甲府南高校日川高校韮崎高校甲府昭和高校身延高校甲府工業高校甲府東高校山梨県内の高等学校関係者【研究部会・研究員】182018 JUL. Vol.423

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