キャリアガイダンスVol.423
24/66

大学に進学する」という進路希望や、「英検準2級取得」などの年度目標を記入した。そして年度末には、それらの目標の達成状況や、1年間で身に付いた力などについて振り返る。 一方の手帳は、生徒が日々持ち歩き利用するものだ。手帳には、タイムスケジュール欄に加え、これまで進路学習や学校行事などで配布していたプリント類の要素を集約している。生徒は毎日の予定の管理のほか、週間目標、学習時間、期末考査結果、進路学習や面談の内容などを記録。この手帳に日々蓄積された情報を年度末に見直し、「伊都っ子ノート」の振り返りに役立てる。 「伊都っ子ノート」の特長は、生徒が記入したものに、担任と保護者がそれぞれ、生徒が前向きになるコメントを書き入れることだ。担任は、進路に迷っている生徒には「一緒に考えていこう」と励まし、また、振り返りで「何もできなかった」という生徒には、まずそれに気付けたことを認め「次につなげよう」と促すなどしている。 保護者にコメントをもらうにあたっては、さまざまな家庭の事情を考慮して、依頼文書の配布のほか、今年度 このたび「キャリア・パスポート」普及・定着事業の実践校として指名を受けたことを、糸島高校はチャンスと捉えている。これを機に、懸案だったキャリア教育の充実に向けて前進できるとの期待があるからだ。 「成長のカギは、多様な経験をするだけでなく、そこから何を学び、今後にどう活かしていくかを、生徒が自ら考えること。そんな振り返りの促進を、『伊都っ子ノート』でできればと考えています。また、小中高で連続性のある取り組みは従来にはないもので、中学校と前向きな連携ができる点にも魅力を感じています」(荒木礼子教頭) 「伊都っ子ノート」を昨年度終盤から導入し、今年度は初めて年間トータルで活用する。それに合わせ、同校は独自の補完ツールとしてオリジナルの手帳を作り、生徒に配布。双方を関連づけて運用を始めた。 生徒は年2回、総合的な学習の時間にて「伊都っ子ノート」に取り組む。まず、年度始めに、目指す進路と、その実現に向けた1年間の目標などを設定。例えば、ある生徒は、「心理カウンセラーになるために人文系のは面談時にも趣旨を説明するなど慎重に進めている。保護者は概ね協力的で、先に書かれた教員のコメントからも趣旨を汲み取り、生徒の励みになるコメントを書いているという。 取り組み始めて間もないが、教員から「教員コメントなどを通じて生徒を深く見つめる機会になっている」といった声があり、生徒理解の深まり声も。保護者アンケートでは「子どもの成長を感じた」「子どもと将来のことについて話すきっかけになった」との回答が多数あった。今年度は実践校と共により効果的な方法を探っていく。 「子どもたちが自分の成長を自分で実感でき、自ら成長できるようになるのが理想。そのための福岡県なりの仕組みを目指したいですね」(古賀氏)図1 「鍛ほめ福岡メソッド」の概要「伊都っ子ノート」の教員と保護者からのコメント欄右から、校長 松尾隆一先生、副校長 内田真司先生、教頭 荒木礼子先生、2学年担任 池谷康佑先生「伊都っ子ノート」には担任・保護者のコメントがつけられる。保護者欄には、子どもに対する励ましや、「子どもの考えがわかって安心した」といった感想などが多い。「保護者コメントからは学校とは違う生徒の様子が垣間見え、生徒理解に役立つ」(2学年担任・池谷康佑先生)という。1902年創立/普通科/生徒数947人(男子488人・女子459人)/進路状況(2018年3月実績)大学163人・短大37人・専門学校85人・就職13人・その他16人学校データオリジナルの手帳と「伊都っ子ノート」の併用で、 生徒が自ら前へ進む後押しを 実践校糸島高校(福岡・県立)1 目標設定の活動チャレンジへの気持ちを高める達成目標を引き出し、子どもをその気にさせよう指導者…2 挑む活動チャレンジし、プロセスを記録するプロセスを記録させ、子どもの活動を支えよう指導者…3 振り返る活動チャレンジのプロセスを振り返るプロセスをほめ、子どもの心に火を灯そう指導者…鍛えて、ほめて、子どもの可能性を伸ばす!●鍛えて(いろいろ試して解決したいと思う心やできないことをできるようになりたいと思う心を)●ほめて(取組の結果や取り組んできた過程を)● 子どもの可能性(学ぶ意欲や自尊感情、向上心やチャレンジ精神、勤勉性や困難に立ち向かう心等)を伸ばす。コンセプト仕組み鍛える鍛える伸ばすほめる経験の振り返りが成長のカギ教員と保護者はコメントで激励生徒の挑戦の後押しに活かす福岡県教育委員会の資料より作成242018 JUL. Vol.423

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る