キャリアガイダンスVol.423
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られ、自己理解、情報収集、計画実行が促されるように、「聴く」「受け止める」を積極的に行うコミュニケーションのことです。こうした問題解決や自己理解を、対象者が自ら進んで行うように、対話によって心を動かそうというものです。 学校現場における「キャリア・カウンセリング」とは、キャリア教育で育てたい基礎的・汎用的能力(人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力)を高めるためのコミュニケーションといえます。 難しいことではなく、ある小学校でアサガオの水やりをする際に、「みんな、どんなアサガオに育てたい?どんな花を咲かせたい?」と先生が声かけしたことにより、子どもたちが主体的に考えるようになり、一生懸命に工夫してアサガオの世話をするようになったというエピソードがあります。 また、ある中学校では、希望と違う業種に職場体験に行かされた生徒が、3日後に顔つきが変わって帰ってきたそうです。振り返りの感想には「行って良かった」のひと言しか書いてなかったため、先生が「なぜ行って良かったと思った?」と声をかけたところ、「ほめてくれたから嬉しかった」と自分の気持ちを整理できた例もあります。 教員からのこうした日常的なひと言で、生徒の主体性や自己理解を引き出すことができるのです。 普段から生徒とは仲が良く、会話も頻繁にしている先生もいらっしゃると思います。雑談とキャリア・カウンセリン 「カウンセリング」というと、専門的な資格をもった人が行うこととか、心理療法のように捉える方がいらっしゃいますが、そうではありません。カウンセリングとは、人がより良く生きるための援助であり、問題解決や意思決定が図特別な時間ではなく生徒の主体性を育む日常での会話がカウンセリング北谷高校の取り組みから、「生徒の自己評価力を高める教員の対話的な関わり」とは、日常の会話を意識することとご理解いただけたと思います。北谷高校の先生方も研修を受けた、キャリア・カウンセリングの専門家である三川先生に、その本質と、生徒との対話で留意すべきポイントについてお話いただきました。基礎的・汎用的能力を高めるコミュニケーション反論や言い訳の言葉はかみ合っていないサイン追手門学院大学心理学部 教授三川俊樹みかわ・としき●1961年生まれ。追手門学院大学心理学部教授。カウンセリング心理学専攻。同学・心の教育研究所長。大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了(学術修士)。2012~2014年に日本キャリア教育学会・会長を務める。日本カウンセリング学会、日本キャリアデザイン学会などに所属。スーパーバイザーなどとして活躍。「キャリア・カウンセリング」とは?342018 JUL. Vol.423

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