キャリアガイダンスVol.423
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教育改革=教員の意識改革。教育改革=教員の意識改革。教員たちの「やらない理由」を教員たちの「やらない理由」を消していくことがリーダーの役割消していくことがリーダーの役割まとめ/長島佳子 撮影/小林太樹1964年、富山女子短期大学付属高校として創立。1992年、富山国際大学付属高校に改名、男女共学となる。担任を務める外国人教員がいるだけでなく、16カ国の国籍の生徒が在籍するなど、真の国際化を進めるほか、生徒全員がタブレットを所有するなどICTにも力を入れている。近年、進学率の向上とともに、同校を志望する生徒の増加で注目されている。富山国際大学付属高校(富山・私立)くらた・のぶくに1955年生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。1978年、富山女子短期大学付属高校に英語科教員として着任。1992年、学校が男女共学となり校名が富山国際大学付属高校に改名し、国際英語コースが創設されたときに初のコース担任となり、「国際」を表した学校にふさわしくなるべく、さまざまな改革を牽引する。2003年に教頭、2011年に副校長を歴任し、2014年より現職。教頭時代、学校が2期連続でSELHiに選ばれたことで、多数の学校の授業を見学し研究活動を行ったことが自身の大きな転機となり、「過去に教えた生徒に申し訳ない。今の自分なら、彼らの才能をもっと伸ばせた」と後悔したことが改革の原動力となったという。プライベートでは朝晩に愛犬のグレートピレニーズの散歩を欠かさない。 女子校としてスタートした本校は、1992年に校名の改名とともに男女共学校として生まれ変わりました。志願者の定員割れという課題を一時的に克服することができましたが、数年後にはまた元に戻る危機に直面したのです。学校改編当時は「国際」と表しながら、1名のALT(外国語指導助手)がいて、一部の生徒が短期留学する程度でした。そこで、「国際」の校名にこだわった、抜本的な改革に舵を切りました。 本校が育成目標とする「国際人」とは、語学力に留まらず、多様であることの違いを乗り越え、未来を創り出す能力のある人間です。改革には「視覚」が大事だと私は考えました。見るからに多様な人々が集う場であることで、生徒たちが自然に他者との違いを受け入れられるようになるからです。具体的には、英語入試を導入し外国籍の生徒の受け入れを始め、現在では16カ国の国籍の生徒が在籍しています。外国人教員も積極的に採用し、担任をもつ外国人教員も2名います。 また、2004年から6年間SELHiの指定を受け、「話せる英語力」をつけるために、早い時期からアクティブラーニング型の授業を取り入れるなど、英語科を中心に授業改革も行ってきました。 こうした取り組みの結果、現在は定員を大きく上回る生徒に志望をいただきクラスを増設しました。今年度から国際英語コースの1クラスは、2学年時に全員が1年間海外留学することになっています。 教育改革で大切なのは教員の意識改革です。生徒は適応力がありますが、私自身も含め教員は自分のやり方にこだわりが強く、「やらない理由づくり」が得意です。教員たちが「やらない理由」を言えば、私は一つひとつ解消していきます。例えば、本校は早くからICTを導入してきましたが、「蛍光灯の灯りでプロジェクターが見えにくいから使わない」という先生がいれば、前列の蛍光灯だけ消せるようにスイッチの配列を変えました。 一方で、生徒の成長を実感できれば率先して改革をやりたがるのも教員の特性です。外国人の生徒が増えたことで、授業以外でも生徒たちが英語で挨拶しあう様子を目の当たりにしたときに、「学校が変わる」と感じたようです。 世の中の急激な変化に、本校の学校改革も追随しなければなりません。私の信条は即決即断のトップダウンです。先生たちには全国の学校の授業見学や研修などに頻繁に参加してもらい、情報共有を行っているので、変化のスピードについていかねばならないという危機感は教員全体がもってくれています。 改革が形になってくれば、現場発信のボトムアップも必要ですが、時代が変わる過渡期はトップダウンで進めるリーダーシップが必須だと考えます。私の判断が間違っていたときには、素直に頭を下げ、すぐに軌道修正すればいいのです。スピード感ある改革を共に進められる、足腰が強い教員集団である強みを活かし、今後も改革を続けていきたいと思っています。視覚的に「多様」な教育環境をつくり真の「国際人」育成を目指す時代の過渡期はトップダウンで進行急速な変化への危機感は全教員が共有倉田延邦富山国際大学付属高校 校長392018 JUL. Vol.423

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