キャリアガイダンスVol.423
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まとめ/堀水潤一 撮影/廣瀬 譲1983年大阪産業大学高校大東校舎として開校。88年大阪桐蔭高校として分離独立。95年大阪桐蔭中学校設立。生徒数、高校1986人、中学校561人。春夏通じて7度の甲子園優勝を誇る硬式野球部ほか、ラグビー部、女子バスケットボール部、吹奏楽部なども全国トップレベル。2018年の京都大学合格者51人(既卒15人)など難関大学への進学実績でも注目される。大阪桐蔭中学校高校(大阪・私立)いまだ・さとる1960年生まれ。関西大学文学部卒業。小学校時代の担任の影響と、クラブ活動の指導に憧れて教職に。83年、男子校時代の大阪産業大学高校(現 大阪産業大学附属高校)に国語科教諭として赴任。エネルギーあふれる商業科の生徒と共に成長。自身も大学で経験がある少林寺拳法部に続き、硬式野球部の顧問を経験。99年、アメリカンフットボール部の顧問となり、その年いきなり日本一に。そこから始まる4連覇を経験。その後も部長として8度の全国優勝に貢献。学年主任を務め、1学年20弱におよぶクラス担任のまとめ役も経験。2013年教頭、16年に校長に就任。管理職として教員団と良好な関係を築く。18年、35年間勤務した同校を離れ、学校法人大阪産業大学の系列校である大阪桐蔭中学校高校校長に着任。二人の教頭を始めとした教職員に支えられ、奮闘中。 今年4月に校長として本校に赴任するまで、私は35年間、系列校である大阪産業大学附属中学校高校に勤務していました。異動して最初の仕事が甲子園準々決勝での応援。3日後の4日には入学式を終えてから決勝に駆けつけ春連覇を見届けるという大変慌ただしいものでした。 系列校とはいえ、校風や行事はまったく違います。まず驚いたのは、4月の中旬にいきなり行われる3泊4日の春季学習合宿。前任校でも同様の行事はありましたが、こちらはクラブと学業の両立を目指すⅢ類を除き、中1から高3までの全生徒が参加する大規模なもの。新年度早々、学習に向かう姿勢を改めて問い直すわけです。 平日も、早朝・終礼時に行う英単語や数学の小テストを欠かしません。日課とすることで学習習慣がつき、時間の使い方も変わるのです。 生徒は毎日、生活記録をつけて担任と交換。小学校でいう連絡帳に似て、非常にアナログな取り組みですが、ちょっとした心身の変化にも気付くきっかけになり、保護者を含めたコミュニケーションツールとして機能しています。 ユニークな取り組みとしては、週1回の体験型学習「プロジェクトワーク」があります。「ロボット講座」「着付けとマナー」など、約60のテーマの中から興味のある講座を選択。探究心やチャレンジ精神を磨くほか、中1から高2までクラスや学年の枠を超えて学ぶことで人間関係を構築するいい機会にもなっています。 こうした手間暇をかけた、きめ細かい指導が、高い進学実績やクラブの活躍につながっている一方、教員の働き方にも目を配り、休養や研鑽の時間のため、平日に必ず研修日を確保しています。土曜が休みではない代わりに、平日にうまく振り分けることで週休2日になるよう工夫しています。 本校の教育理念は「鼎ていりつ立成りて碩せきりょう量を育む」。徳・知・体の調和があってこそ優れた人物となるいう意味です。どんなに勉強やクラブ活動で結果を出しても、人間としての行いに問題があれば意味がありません。そう考え、挨拶や時間厳守を始めとして、生活面の指導は引き続き行っていきます。そんな折、電車内での本校生徒の行動について褒める内容のメールを外部の方から頂きました。年配の相手に気を遣わせることなくスマートに席を譲る様子に感心されたそうで、本当に嬉しく、誇りに思いました。 本校は、母校愛が強いのも特色です。春季学習合宿には、その年の難関大学合格者が受験勉強の体験談を話しに来てくれることが恒例ですし、クラブの応援には大勢の卒業生が駆けつけます。運動部の活躍に連動するように進学実績も向上。目標は違えど、目標に向かって努力することは同じであり、互いに刺激する関係があります。これからも、母校を誇り、卒業生が気軽に訪問してくれる学校でありたいと思います。進学実績、クラブ活動実績の高さは徹底した指導と信頼関係による徳・知・体の調和のとれた生徒を育成卒業生が気軽に戻って来られる学校に35年勤めた系列校から今春異動。徹底した指導ときめ細かさ。そうした強みをさらに伸ばす今田 悟大阪桐蔭中学校高校 校長452018 JUL. Vol.423

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